訪問看護スタッフの朝はどのように始まり、出発までに何を準備するのか?
以下は、訪問看護スタッフ(看護師・PT/OT/ST等を含む)が朝にどのように始動し、出発までに何を準備しているかを、実務の流れに沿って具体的にまとめたものです。
あわせて、根拠となる主な指針・制度も最後に整理します。
1日の朝の流れ(出勤〜出発まで)
– 出勤・身だしなみ・セルフチェック
– 出勤後、まずは身だしなみ(清潔な制服、短い爪、頭髪の整理、名札の装着、指輪や腕時計の外し等)と健康状態(体温・倦怠感・呼吸器症状など)のセルフチェックを行います。
体調不良や感染症状がある場合は管理者に申告し、訪問割り当ての見直しや代替対応を検討します。
標準予防策の観点から、香水・強い整髪料は控えるのが通例です。
– 朝礼・ブリーフィング(情報共有)
– 5〜20分程度のショートカンファレンスで、以下をチーム共有します。
– 夜間オンコールの報告、急変や入院・退院・看取りの発生状況
– 当日の訪問スケジュール・担当割・同行の要否(新人OJTや重症者へのダブルチェック)
– 医師の新規指示(訪問看護指示書の変更、特別指示期間の設定、処置・採血・検体採取の依頼など)
– 感染症動向(インフルエンザ、COVID-19、ノロ等)に応じたPPEレベルや動線の調整
– リスク共有(転倒リスクの高い利用者、暴言・暴力リスク、ペット対応、居住環境の危険因子)
– 連携先(ケアマネ、訪問診療、薬局、リハ、福祉用具、ヘルパー)との連絡計画
– 当日計画の確認・優先度付け
– 1件ごとに以下を見直します。
– 直近のバイタルと状態変化、前回訪問での看護記録
– ケア目標と本日の実施内容(例 創傷処置、吸引、気管・胃瘻・ストマ管理、留置カテ交換、疼痛コントロール、リハ、薬剤管理、終末期ケア)
– 感染対策の種類(標準予防策に加えて接触・飛沫・空気感染対策の要否)
– 必要物品・薬剤・書類の再確認(不足がないか、期限切れがないか)
– ルート組み・移動計画
– 訪問先の位置関係や道路状況、天候(雨・雪・猛暑・台風)、駐車可否、エレベーター有無等を考慮して効率的・安全に回る順序を決定。
時間に余裕を持たせ、急変や交通遅延のバッファを確保します。
– 初回や住所が分かりにくい場合は、出発前にストリートビュー確認や施設の出入口・受付導線を把握します。
– 事前連絡(必要に応じて)
– 利用者・家族に当日の到着目安、担当者名、体調変化の有無(発熱・嘔吐・下痢等)、駐車・インターホン・ペット対応の確認を行います。
感染流行期には簡単なスクリーニング質問を加える場合があります。
– 車両・携行端末の点検
– 車や自転車の簡易点検(燃料・タイヤ・灯火類・雪用備品の有無)、ドラレコ・ETC・保険書類の確認。
渋滞や災害情報もチェック。
– タブレット・スマホ・PHSの充電、MDMやVPNの接続確認、緊急連絡網の最新化を確認します。
– 書類・端末・印鑑等の持ち出し管理
– 訪問看護計画書・報告書、医師指示書控え、同意書類、検体採取依頼書・ラベル、連絡先一覧、名刺、身分証を必要最小限で持ち出し、持出簿や電子台帳で記録します。
紙資料は施錠可能なバッグに収納し、個人情報が露出しないよう配慮します。
– 物品・薬剤・衛生資材の準備(チェックリスト化)
– バイタル機器 聴診器、血圧計、体温計、パルスオキシメータ、ペンライト、血糖測定器(必要時)
– 標準処置セット 滅菌ガーゼ、綿球、テープ、創傷被覆材、はさみ、鑷子、滅菌手袋、洗浄用生食、シリンジ、消毒綿
– 専門処置物品(該当時) 吸引チューブ・カテ、導尿・留置交換セット、胃瘻ケア用品、ストマ装具、褥瘡ケア資材、点滴セット・輸液、鎮痛材の投与器具、NPPV関連消耗品 等
– 感染対策品 サージカルマスク/必要時N95、フェイスシールドまたはゴーグル、アイソレーションガウンまたはエプロン、キャップ、シューズカバー(必要時)、速乾性手指消毒剤、手洗い用ペーパー、清拭用アルコール、次亜塩素酸ナトリウム希釈液(用途・容器表示)、汚物袋(感染性・一般の区分)
– 生活支援系(必要時) 清拭・陰洗・口腔ケア用品、爪切り(同意がある場合のみ)、体位変換用簡易クッション、シーツ類(家族了承のもと)
– 連絡・記録 タブレット(セキュアアプリ)、予備バッテリー、モバイルプリンタ(必要時)、筆記具、スタンプ、緊急連絡カード
– 検体採取 スピッツ・スワブ・遮光容器・保冷バッグ・依頼書・バーコードラベル・封入手順書
– 医療廃棄物管理 シャープスコンテナ(転倒防止固定)、感染性廃棄物用バッグ(契約事業者指定のもの)、持ち帰り・保管ルールの確認
– 季節・災害対策 雨具、使い捨て靴カバー、日よけ帽、保冷剤、経口補水液、カイロ、防災キット(簡易ライト、携帯トイレ、ホイッスル)等
– 防犯・安全 携帯防犯ブザー、夜間用ライト、名刺・身分証の即時提示準備、現金・カードの分散管理
– バッグ内の清潔・不潔の区分け
– 清潔物・未使用物は密閉袋やコンパートメントに、使用済み器材・汚染物は耐貫通性容器・二重袋へ。
バッグ外装は拭き上げ清拭可能な素材にし、定位置管理で取り違えを防止します。
– 最終確認・出発
– 当日の「持出しチェックリスト」をダブルチェック。
訪問順・ナビ設定・時間帯連絡済みの有無を確認し、出発。
退出時はステーションの施錠・火気・電源・冷蔵保管物(要冷薬剤や検体の事前準備)の再点検を行います。
朝に準備しておくと訪問先で差が出るポイント
– 事前連絡によるケア効率化 到着前に疼痛スケールや排便状況、創部の写真共有ルール(個人情報保護に配慮したセキュアツール)を確認しておくと、到着直後のアセスメントがスムーズです。
– 処置シミュレーション 当日のメイン処置(例 胃瘻ボタン交換、陰部洗浄と採尿、褥瘡デブリドマン補助等)をイメトレし、代替物品やトラブル時のバックアップ(別規格の外径/長さ、固定具の代用品)もセット。
– 感染対策のメリハリ 全件で標準予防策を徹底しつつ、嘔吐・下痢や気道分泌が多いケースではガウン・アイプロの追加、空気感染疑いでは訪問順を最後に回すなど工夫します。
– 二重の連絡網 医師・ケアマネ・薬局の担当直通番号と、時間外・代行窓口の番号を別に持ち、圏外や災害時に備え紙ベースでも携行。
– 法令・算定の抜け漏れ防止 特別指示期間、ターミナル加算、特定管理加算などに関わる「根拠書類の有効期限」「報告期限」「同意取得状況」を朝のうちに確認しておくと、後日の返戻や算定漏れを防げます。
安全・個人情報・医療廃棄物への配慮(出発前に決めておくルール)
– 安全運転・労務 余裕あるスケジュール、休憩・水分補給計画、悪天候時の中止基準。
社用車・自転車のヘルメット着用や冬季チェーン携行など、事業所内規に沿う。
– 個人情報保護 端末は顔認証や強固なパスコード、リモートワイプ、持出し最小化。
紙資料は宛先別ファイル化し取り違えを防止。
エレベーター・共用部での個人情報に関する会話はしない。
– 医療廃棄物 針・鋭利物は現場でのリキャップ禁止、使用直後のシャープスボックス廃棄徹底。
感染性廃棄物の回収・保管・運搬は、委託契約とマニフェストに従い、車内では転倒・漏洩防止の固定を実施。
具体的な朝のタイムライン(例)
– 830 出勤・更衣・体調確認
– 835 朝礼(夜間報告、スケジュール共有、感染状況、リスク連絡)
– 845 医師指示・計画書確認、訪問順の最終決定、連絡先整理
– 855 物品・PPE・廃棄物容器・検体用品のチェック、端末の接続確認
– 905 利用者・家族へ到着目安と注意点を連絡(必要時)
– 910 車両点検、ナビ設定、持出し簿記入、施錠確認
– 915 出発
根拠・背景となる主なガイドライン・制度等
– 標準予防策・感染対策
– 日本環境感染学会の在宅医療・介護領域における感染対策ガイドライン等 在宅現場での標準予防策、個人防護具(PPE)の選択、器材の清潔・不潔区分、針刺し防止、環境消毒や嘔吐物処理方法などが示されています。
– 厚生労働省・自治体の感染対策通知 新興感染症流行時のスクリーニング、PPEの推奨、出勤可否の目安など。
– 訪問看護の運営・記録・連携
– 指定訪問看護の人員、設備及び運営に関する基準(介護保険関係省令) 記録の整備・保存、緊急時対応体制、連携・情報提供の体制整備が求められています(記録の保存期間は介護保険では原則2年等、詳細は最新法令・自治体通知に従う)。
医療保険での診療録等は5年を目安とする運用が一般的です。
– 日本看護協会等の訪問看護実務指針 訪問前のアセスメント、指示書・計画書の整合性確認、連絡体制の構築、同行訪問の教育的意義などが整理されています。
– 個人情報・情報セキュリティ
– 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)およびガイドライン 最小限持出し、目的外利用の禁止、漏えい防止策(施錠管理・アクセス制御・暗号化・持出し記録)。
– 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」 モバイル端末の管理(認証、暗号化、MDM)、リモートワイプ、ログ管理、通信の暗号化等。
– 医療廃棄物の取り扱い
– 厚生労働省「感染性廃棄物処理マニュアル」 感染性廃棄物の区分、容器要件、運搬・一時保管・委託処理手順、シャープス容器の取り扱い、マニフェストの発行・保存。
– 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 委託契約や運搬・処分の適正管理。
– 安全運転・労務安全
– 道路交通法 安全運転義務、積載物の安全確保(シャープスボックス固定など含む)。
– 労働安全衛生法・厚労省通達(職場における熱中症予防など) 猛暑日の訪問計画、休憩・水分補給、体調管理の励行。
– 事業継続計画(BCP)と災害・感染症対応
– 介護保険事業所(訪問看護ステーション含む)におけるBCP策定の義務化 感染症・災害時の事業継続手順、連絡網、代替ルートや物資備蓄、優先訪問の基準などを定め、朝礼で当日の運用レベルを確認します。
実務上のコツ(トラブル防止)
– バッグは「使ったら元の位置へ」を徹底し、終業時に翌朝分を即補充できる棚配置(先入れ先出し・期限表示)にする。
– 処置ごとに「ミニキット化」しておく(例 胃瘻キット、ストマキット、褥瘡キット)。
忘れ物と滅菌破綻を減らせます.
– 初回訪問や環境リスクが高い家は原則2名で同行し、朝礼で防犯・避難動線・声掛け役割を決めておく。
– 記録は「現場で一次記録→移動中に音声メモ→帰社後に精緻化」の三段階にすると、抜け漏れが減少(情報セキュリティに配慮した手順・端末設定が前提)。
– 急変・中断の基準(SpO2、血圧、意識、疼痛、出血量等のしきい値)を朝のうちにチームで統一し、医師への想定報告書式(SBAR等)を共有。
まとめ
訪問看護の朝は、身だしなみと体調確認に始まり、短時間のチームブリーフィングで最新情報を共有し、利用者ごとの目標・処置・感染対策・リスクを整理したうえで、物品・書類・端末・車両を整え、個人情報と安全・感染対策に十分配慮して出発する、という段取りが標準的です。
これらは、訪問看護の運営基準、感染対策ガイドライン、個人情報保護・医療情報セキュリティの指針、医療廃棄物の法令、労務・安全運転の法的義務、BCP義務化といった根拠に支えられています。
朝の準備と段取りが適切であるほど、現場でのケア品質と安全性、そしてチームの生産性が高まります。
1日の訪問スケジュールや移動ルートはどのように決まり、連絡調整はどう進めるのか?
以下は、訪問看護で働くスタッフ(主に看護師)1日の訪問スケジュールや移動ルートの決まり方、そして日々の連絡・調整の進め方についての実務的な流れと、その根拠(制度・基準・代表的な業務マニュアル等)です。
都市部と地方、事業所の規模や方針で差はありますが、日本の多くの訪問看護ステーションで共通する考え方・手順を整理しています。
1日のスケジュールが決まる基本構造
– 前提枠組み
– 医療保険・介護保険のいずれで提供するか(利用者ごとに異なる)が骨格になります。
介護保険ではケアマネジャーが作成する居宅サービス計画(ケアプラン)に位置づけられた訪問回数・曜日・時間帯の希望が軸になります。
医療保険では主治医の訪問看護指示書の内容・頻度・期間が軸です。
– 訪問看護計画書(ステーションが作成)に基づき、達成目標とケア内容から概ねの時間配分(例 清潔ケア40分、状態観察10分、家族指導10分等)を見積もります。
– 実務の決め方(週〜前日)
– 週次または前日夕方に翌日の全件スケジュールを確定します。
利用者の「時間制約(服薬・インスリン・胃瘻注入・点滴時間・学校/通所前後)」「優先度(終末期・疼痛コントロール・ドレーン管理等)」「家族の在宅時間」などを最優先に反映します。
– スタッフのスキル(褥瘡処置、CVポート、人工呼吸器、気切管理、小児などの専門性)と担当制(継続性)を勘案し、担当者を割り振ります。
原則として継続性(前回担当)が優先、難処置は経験者へ。
– 1件あたりの標準滞在時間(30〜90分程度)、移動時間(地域・移動手段により10〜30分程度)から、1人あたり1日4〜7件を目安に積みます(都市部は件数多め・地方は移動長めの傾向)。
– 緊急往訪・新規導入・退院直後フォローの枠(バッファ)を意図的に確保します。
24時間連絡体制を敷いている事業所は日勤内でも突発対応枠を持ちます。
– スケジュール確定後の共有
– 電子カルテ/スケジューラで全員に可視化し、朝礼までに変更があれば即時更新。
訪問先の電話番号・鍵の受け渡し・駐車可否・感染症情報などの注意点を備考に明記します。
移動ルートの決め方
– 地理的最適化
– 同一エリアを「クラスター化」し、近接利用者を連続配置して移動時間を短縮します。
地図アプリや訪問看護用スケジュールシステムで距離・所要時間を試算し、時間帯別交通状況(ラッシュ、通学路、渋滞)を加味します。
– 時間窓と優先度
– 時間固定のケア(インスリン・点滴交換・吸引回数など)を起点に前後を埋める「タイムウィンドウ優先」。
終末期や症状不安定な方を午前帯に置くなど、医療的優先度で順番を決めます。
– 安全・品質・物品の観点
– 重量物(酸素ボンベ、栄養剤箱)の持ち運びがある日は自転車より軽自動車、雨天・猛暑は無理のない手段を選択。
単独訪問のリスク(夜間・新規地域)や駐車リスク(路上不可エリア)はルート変更や二名訪問、公共交通への切り替えで回避します。
– 予備ルートとバッファ
– 天候・道路工事・急な処置延長に備え、移動のバッファ(5〜10分)と代替ルートを想定。
午前・午後で物品の補充/積み替えが必要な場合は一度帰所する構成にします。
典型的な1日の流れ(例)
– 830 朝礼・準備
– 体調確認、当日スケジュール最終確認、リスク共有(発熱者、感染症対策、急変懸念)、物品・薬品・書類のチェック。
オンコール引継ぎ(夜間の出来事)を全体共有。
– 900 訪問1(終末期・疼痛強く優先度高)
– 状態観察、疼痛評価、薬剤調整を主治医に電話相談。
次回以降の訪問時間を家族と合意。
– 1030 訪問2(清潔ケア中心)
– 入浴可否の判断、福祉用具事業者との手すり位置確認を電話調整。
– 1200 事務所戻り・記録・連絡
– 電子カルテ入力、主治医へFAX/ICTで報告、ケアマネへ要点連絡。
点滴オーダー更新の受領確認。
昼休憩。
– 1330 訪問3(点滴交換 時間固定)
– 手技のため前後にバッファ確保。
家族へ観察ポイント指導。
– 1500 訪問4(退院直後フォロー 複合調整)
– 退院時指示の再確認、訪問薬剤師の初回同行スケジュールをその場で調整。
– 1630 帰所・記録・翌日調整
– レセプト要件チェック(算定根拠の記録確認)、新規依頼の受注判断、翌日の時間変更の電話連絡。
オンコール担当者へ申し送り。
– 1730 終業(オンコール者は携帯持ち帰り)
連絡・調整の進め方(当日〜長期)
– 当日運用
– 医師 症状変化や処置・投薬の要否は即時電話連絡、必要に応じFAX/電子で報告書送付。
特に疼痛・発熱・呼吸苦・点滴トラブルは当日内に相談。
– ケアマネ 日中の重要変化は同日内に要点報告、計画変更が必要なら翌日以降のサービス担当者会議を打診。
– 家族 連絡ノート/口頭/電話で次回予定・観察ポイントを共有。
夜間の連絡先(24時間体制の場合)は再確認。
– 他職種(訪問リハ・ヘルパー・薬剤師・福祉用具など) 訪問時間の前後関係(入浴→褥瘡処置、配食→服薬確認など)を調整。
重複訪問による密を避けるか、目的あって同席を設定。
– 週間〜月間の調整
– サービス担当者会議でケアプラン・目標・役割分担を見直し。
褥瘡や栄養、BPSDなどテーマ別にミニカンファを随時開催。
– 退院時連携 病院の退院調整看護師・MSWとカンファ、指示書発行のタイミング、初回訪問日、必要物品の手配を明確化。
– 緊急時対応
– 24時間連絡体制をとっている場合、オンコール看護師が一次受電しトリアージ。
必要時の臨時往訪、医師への報告、救急要請、家族同意の取得を標準手順で行う。
事後は関係者全員に経過共有し、計画・スケジュールを再調整。
ITと書類運用
– 電子カルテ・スケジューラで訪問予定、ToDo(採血依頼、指示期限、物品補充)を一元管理。
地図連携で移動最適化、緊急連絡リストをモバイルで参照可能に。
– 訪問看護計画書、報告書、訪問看護記録(SOAP等)を当日中に記録。
医療保険・介護保険の算定要件を満たす項目(実施内容、所要時間、連携状況、同意・説明)を漏れなく記載。
– 個人情報・情報セキュリティは事業所規程と法令に従って管理し、外出先での画面覗き見や紙資料の持ち出しに注意。
突発・変更への備え方
– キャンセル・時間変更 家族事情・急変・入院・通院等で当日変更が出やすい。
スケジューラ上で担当替え・順番入替・翌日繰越の判断基準を定め、利用者へ速やかに再連絡。
– 天候・災害 警報級気象時は安全最優先で訪問可否を判断。
必要物品の前倒し提供、電話/オンラインでの見守り代替、自治体の避難情報共有を行う。
– 感染対策 発熱者訪問はルート末尾へ配置、PPEの積載量確保、帰所後の消毒時間をスケジュールに組み込む。
都市部と地方での違い(概況)
– 都市部 移動は自転車・公共交通・原付が中心。
訪問件数多め・距離短め。
駐輪・駐車・エレベータ待機などの微小遅延管理が重要。
– 地方 移動は軽自動車中心。
1件あたりの移動距離が長く、天候影響大。
冬季は時間に大きめのバッファをとり、予備燃料やチェーンなど安全装備を標準化。
根拠(制度・基準・実務ガイドの要点)
– 主治医の指示書・ケアプランに基づく提供
– 訪問看護は、主治医の訪問看護指示書(医療保険)と、介護支援専門員の居宅サービス計画(介護保険)に基づいて実施されます。
これが訪問回数・時間帯・内容決定の根拠です。
– 指定基準と運営基準
– 厚生労働省が定める「指定訪問看護の人員・設備・運営に関する基準」等により、管理者の配置、勤務体制、記録の作成・保存、利用者への説明・同意、多職種連携の体制整備が義務づけられています。
日々の朝礼・申し送り、記録の整備、連絡体制の確保はこの運営基準に沿う実務です。
– 診療報酬・介護報酬の算定要件
– 24時間連絡体制加算、特別管理加算、退院時共同指導、情報提供などの各加算は、具体的な連携・記録・緊急時対応体制を要件としています。
したがって、オンコール体制、緊急往訪フロー、医師・ケアマネへの報告様式・タイムリーな連絡がスケジュール・連絡運用に組み込まれます。
– 記録・計画・報告の義務
– 訪問看護計画書、訪問看護記録、サービス提供の実績記録、主治医・ケアマネへの報告書(情報提供)の作成・保存が求められます。
これが当日内の記録時間を設ける根拠となります。
– 退院時・在宅移行の連携
– 退院調整(カンファレンス)での情報共有、初回訪問の設定、必要物品準備などは、地域包括ケア推進の枠組みや診療報酬上の退院時共同指導・在宅移行支援の評価に裏打ちされています。
– 感染対策と安全管理
– 医療機関としての感染予防策、個人情報保護、単独訪問時の安全配慮は、医療安全・個人情報保護に関する法令・ガイドラインおよび指定基準の「安全・適切な運営」に基づき、事業所規程として具体化されています。
– 実務ガイド・標準様式
– 日本訪問看護財団、日本看護協会、自治体が発行する訪問看護の実務手引・標準様式(訪問看護計画書・報告様式例等)は、現場運用を標準化する参考資料として広く活用されています。
スケジュール・連絡・記録の運用はこれらの手引の推奨に沿って整備されることが多いです。
現場の工夫(品質・効率の両立)
– 朝礼での「当日リスク3点共有」(急変懸念者、感染対策、交通・天候)を固定化。
– ルートの固定化と例外対応のバランス 曜日・時間の規則性を持たせ、急変時のみ例外運用にする。
– 時間厳守が求められる処置を核に、処置強度の低い訪問を前後に配置し、遅延吸収力を高める。
– 電子スケジューラで「時間窓」「優先度」「近接度」を同時に見える化し、ドラッグ&ドロップで即時再配置できる体制を構築。
– 外出先からの音声入力・定型文活用で記録時間を短縮し、当日中の記録完了率を上げる。
まとめ
– 訪問看護の1日のスケジュールは、医師の指示書・ケアプラン・看護計画を土台に、利用者の時間制約・医療的優先度・地理条件・スタッフの専門性を組み合わせて前日までに確定し、当日は朝礼で最終確認します。
– 移動ルートはクラスター化と時間窓の両立、天候・安全・物品要件を踏まえて最適化し、突発へのバッファを必ず持ちます。
– 連絡調整は当日中の即時性(医師・ケアマネ・家族・他職種)と、週次・月次の計画的な多職種カンファレンスの両輪で回し、記録・報告は制度の要件に沿って当日中に完結させます。
– これらの運用は、厚生労働省の指定基準、診療・介護報酬の算定要件、実務ガイドによって制度的に裏付けられています。
事業所はそれらを踏まえ、地域特性・利用者像に合ったスケジューリングと連携フローを整備することが求められます。
各訪問先では具体的にどんなケアや評価を行い、利用者・家族とはどう関わるのか?
訪問看護の1日は「安全と自立の支援」を軸に、評価(アセスメント)→計画→介入→ふりかえり→多職種連携、のサイクルを各訪問先で素早く回していく仕事です。
ここでは、1日の流れと、訪問先で実際に行う具体的な評価・ケア、利用者・家族との関わり方、その根拠をできるだけ実務に即して詳しく紹介します。
1日の流れ(例)
– 出勤〜朝カンファレンス
– 夜間オンコールの引継ぎ、急変・入退院情報の共有
– 医師の訪問看護指示書・特別指示書の更新確認
– ケアマネジャーからの連絡(サービス調整・新規導入予定)
– 物品準備(創傷キット、輸液・ライン用品、採血セット、ストーマ用品、清拭・口腔ケアセット、PPE、鋭利物容器、緊急時キット等)
– 感染対策のトリアージ(発熱者の有無、動線・PPE計画)
– 移動〜訪問(1日4〜6件前後)
– 各訪問でのアセスメントとケア、家族支援、記録
– 必要に応じて主治医・薬局・リハ職・ヘルパーへ即時連絡
– 帰所〜終業
– 記録の精査(SOAP/POS)、報告書作成、計画書の見直し
– チームカンファレンス(リスク共有、看取りの準備、次回方針)
– 物品補充・車両や機器の清掃消毒
訪問先での共通アセスメント(到着後5〜15分で全体像を把握)
– バイタル・症状 血圧、脈拍、SpO2、体温、呼吸状態(努力呼吸、呼吸音、咳・痰)、痛み(NRS等)、意識レベル(JCS/GCS)
– 全身状態 水分・栄養(食事量、体重、MNA-SF等)、皮膚(発赤・発疹・褥瘡リスク Braden等)、浮腫、脱水サイン
– 服薬アセスメント 飲み忘れ、重複、残薬、不適切保管、副作用、自己注射・吸入の手技
– 排泄・尿路管理 排尿パターン、便秘/下痢、失禁、留置カテーテルの固定・閉塞・感染徴候
– 口腔・嚥下 むせ、咳、誤嚥疑い、口腔内清潔度、食形態(嚥下調整食の適合)
– 認知・精神 見当識、せん妄徴候、抑うつ、不安、睡眠
– ADL/IADL 移動、移乗、階段、入浴、金銭・服薬管理、買い物・調理
– リスク 転倒、誤嚥、熱中症、低栄養、虐待・ヤングケアラー、吸引・酸素・ライン抜去
– 住環境 動線、段差、手すり、照明、整理整頓、福祉用具の適合、火気・酸素安全
– 家族・介護力 介護負担、休息状況、学習ニーズ、ACPの進捗、緊急連絡体制
具体的な訪問ケースとケア
ケース1 慢性心不全+フレイルの方
– 目的 増悪の早期発見、再入院予防、自己管理支援
– 評価
– 体重・浮腫・尿量・呼吸困難の推移、聴診(ラ音)、服薬遵守、塩分・水分管理、歩行耐容能(息切れのNYHA相当)
– バイタルと日内変動、起立性低血圧
– ケア
– 服薬確認(利尿薬の頓用ルール再確認)、体重・症状日誌の指導、減塩・水分管理のコーチング
– 関節可動域訓練と低強度の歩行練習、呼吸法(口すぼめ呼吸)
– 皮膚観察とスキンケア(浮腫による脆弱皮膚対策)
– 家族対応
– 悪化サイン(体重増加、夜間呼吸困難、下腿浮腫)の共有、救急受診基準、夜間連絡手順
– 家事・買い物の外部サービス活用を提案(介護保険・総合事業)
– 多職種連携
– 主治医へ循環動態変化の報告、薬局と利尿薬管理、理学療法士へ在宅リハ訓練計画の擦り合わせ
ケース2 糖尿病+足潰瘍の方
– 目的 創傷治癒促進、感染予防、フットケア教育
– 評価
– フットチェック(色調、温度、浮腫、傷・胼胝、爪)、感染徴候、足底圧リスク、末梢神経障害(しびれ・痛覚)、血糖自己測定状況
– ケア
– 創傷処置(洗浄、デブリードマンの要否判断、外用薬・ドレッシング材の選択)、オフローディングの助言
– 服薬・インスリン手技確認、低血糖対処法の再確認
– 栄養相談(たんぱく質・エネルギーバランス、間食)
– 家族対応
– 毎日の足観察のポイント共有、入浴・保湿・靴選びの具体策
– 連携
– 皮膚科・形成外科・フットケア外来、義肢装具士、訪問栄養士へつなぐ
ケース3 独居の認知症の方
– 目的 安全確保、服薬・食事の維持、BPSDの軽減
– 評価
– 見当識、記憶、徘徊・不眠・不穏の有無、冷蔵庫やゴミの状態、服薬ボックス、ガス・火器の使用状況
– ケア
– 服薬セット・服薬カレンダー整備、簡便な口腔ケア、入浴・更衣の促し、転倒リスクの環境調整
– 不眠・不穏に対する非薬物的介入(昼間活動性、日光暴露、ルーチンづくり)
– 家族対応
– 見守り機器、配食、ヘルパー・デイサービス導入提案、介護者の負担評価とレスパイト提案
– 受診同行の必要性、成年後見・財産管理の相談窓口紹介
– 連携
– 地域包括支援センター、ケアマネ、往診医、ヘルパー、見守りネットワーク
ケース4 COPDで在宅酸素療法(HOT)の方
– 目的 呼吸困難の緩和、増悪予防、機器の安全管理
– 評価
– 呼吸数、SpO2、努力呼吸、痰性状、吸入手技(MDI・ネブライザー)、在宅酸素機器の設定・配管・火気管理
– ケア
– 排痰支援(体位ドレナージ、ハフィング)、口すぼめ呼吸、節エネ動作の指導
– 吸入デバイスの正しい使用、マウスピース・加湿水の衛生
– 増悪トリガー(感染・曝露・便秘・不安)への対策と緊急時計画
– 家族対応
– 酸素中の禁煙・火気厳禁の再教育、搬送時の酸素手配の確認
– 連携
– 呼吸器内科、在宅酸素業者、理学療法士(呼吸リハ)、訪問歯科(口腔ケア)
ケース5 がん終末期・在宅看取り準備
– 目的 症状緩和、尊厳の保持、家族支援とACP
– 評価
– 痛み(NRS/ESAS)、呼吸困難、悪心・便秘、倦怠、せん妄、皮膚トラブル、スピリチュアルペイン
– 薬剤の有効性・副作用、座薬・口腔内崩壊薬・皮下注投与の適応
– ケア
– 鎮痛ラダーに沿った薬剤管理の支援、持続皮下注の準備・ポンプ管理(医師指示の範囲)
– 不穏・せん妄の非薬物的ケア、クーリング、口腔・保湿ケア、体位変換と圧抜き
– 家族への看取りの兆候説明、夜間の連絡体制、エンゼルケアの準備
– 家族対応
– 不安・悲嘆への傾聴、具体的な介助(排泄・体位・口腔)のハンズオン指導
– 亡くなった後の手続き・連絡先の整理(訪問医、葬祭、ケアマネ)
– 連携
– 主治医・緩和ケアチーム、薬局(麻薬管理)、24時間体制の共有
医療処置の代表例(医師の指示に基づき実施)
– 採血、点滴管理(末梢/皮下輸液)、中心静脈カテーテル・CVポートの観察とドレッシング交換
– 胃瘻・経管栄養の注入・管理、薬液投与と詰まり予防
– 喀痰吸引、気切カニューレ管理、在宅人工呼吸器の観察
– 留置カテーテル交換・膀胱洗浄、自己導尿指導
– ストーマ(消化・尿路)ケア、用品選定と皮膚保護
– 創傷・褥瘡ケア(評価、ドレッシング選択、感染管理)
利用者・家族との関わり方(看護の要)
– 目標の共有と意思決定支援
– 価値観・望む生活に沿ったゴール設定(ACP)。
「何ができると良いか」「何は避けたいか」を対話で可視化
– コーチング・動機づけ面接
– 行動変容段階に合わせた小さな目標設定(例 毎朝の体重測定、週3回の散歩10分)
– 教育とハンズオン
– 服薬、口腔ケア、体位変換、排泄ケア、機器操作を家族と一緒に練習し、手順書や動画リンクを渡す
– 介護負担の評価とレスパイト提案
– 介護負担感(Zarit等)の聴取、ショートステイ・デイサービス・訪問入浴の活用提案
– 安心の備え
– 緊急連絡表、受診・救急要請の基準、夜間の対応手順、薬局・医師の連絡網を冷蔵庫などに掲示
安全・感染対策とリスクマネジメント
– 標準予防策の徹底(手指衛生、手袋・マスク、清潔/不潔の区分、持込物品の清拭)
– 鋭利物は密閉容器で回収、家屋内での再キャップ禁止
– 発熱・下痢・飛沫の疑い時は適切なPPEと訪問順の最後に配置
– 転倒・誤嚥・熱中症・低血糖などの予防計画と「いつ誰がどう動くか」の具体化
– 悪化の早期認知(NEWS/MEWS等の指標やトレンド把握)とSBARでの迅速な情報共有
記録と連携(見える化)
– 訪問看護計画書・報告書、訪問看護記録書I・II、医師・ケアマネへの定期報告
– ICT連携(共有アプリ・クラウド記録)で多職種の最新情報を同期
– 目標達成度の評価(アウトカム 再入院の減少、褥瘡の縮小、ADL維持、苦痛スコアの改善等)
根拠(ガイドライン・標準に基づく要点)
– 訪問看護の枠組み・多職種連携
– 厚生労働省「指定訪問看護の人員及び運営に関する基準」「訪問看護の手引き」 指示書に基づく医療処置、24時間体制、記録・報告、感染対策の基本を規定
– 日本看護協会の訪問看護実践ガイド 在宅でのアセスメント項目、家族支援、倫理・ACPの実践を提示
– 感染対策
– WHO/CDCの手指衛生と標準予防策、日本環境感染学会の在宅を含む感染対策推奨 手指衛生・PPE・鋭利物管理の徹底が感染率を下げる
– 褥瘡・創傷
– 日本褥瘡学会「褥瘡予防・管理ガイドライン」 Braden等によるリスク評価、体圧分散・体位変換、適切なドレッシング材選択の有効性
– 呼吸リハ・在宅酸素
– 日本呼吸器学会「在宅酸素療法のガイドライン」、呼吸リハ関連学会の推奨 口すぼめ呼吸、排痰法、節エネ動作、吸入手技の正確さが増悪と入院を減らす
– 糖尿病・フットケア
– 糖尿病診療ガイドライン、フットケアの推奨 毎日の足観察、オフローディング、創傷管理が切断リスクを低下
– 栄養・嚥下・口腔ケア
– 日本摂食嚥下リハビリテーション学会の指針・嚥下調整食分類、老年歯科関連推奨 適切な食形態・口腔ケアが誤嚥性肺炎を予防
– 高齢者薬物療法
– 厚労省「高齢者の医薬品適正使用の指針」 ポリファーマシー是正、残薬・重複チェック、服薬支援の重要性
– 認知症ケア
– 認知症疾患診療ガイドライン、地域包括ケアの実践指針 BPSDには非薬物的介入と環境調整が有効
– 緩和ケア・看取り
– 日本緩和医療学会「がん疼痛の薬物療法ガイドライン」等 疼痛緩和の階層的アプローチ、持続皮下注、せん妄への包括的対応、ACPの重要性
ポイントのまとめ
– 各訪問での核は「全身アセスメント+個別目標に沿った介入+家族支援+連携」
– 介入はエビデンスに基づきつつ、本人の価値観と生活文脈に合わせて調整
– 変化の早期発見と即時連携(SBAR)が在宅療養の安全性を高め、入院・合併症を減らす
– 記録と振り返りでケアの質を継続的に改善
以上が、訪問看護スタッフの1日における具体的な評価・ケア内容と、利用者・家族との関わり、その根拠です。
現場では、同じ疾患であっても生活背景や価値観により介入の優先度が変わるため、「標準+個別化」の両立が専門性の要となります。
記録業務やICTの活用、医師・ケアマネなど多職種との連携はどのタイミングでどう行うのか?
以下は、訪問看護ステーションで働くスタッフ(看護師)1日の流れを軸に、記録業務とICT活用、多職種連携を「いつ・どのように」行うかを具体化したものです。
あわせて、法令・報酬・実務標準に基づく根拠や合理性も示します。
事業所や地域の仕組みにより差はありますが、標準的な実務像として参考にしてください。
一日の流れ(例 日勤)
– 830 出勤・朝ミーティング
– 当日の訪問予定・優先度・危険予知(KYT)共有、夜間オンコール引継ぎ。
– ICT クラウド型訪問看護システムや電子カルテで当日ルート、最新指示(主治医の訪問看護指示書)、バイタル推移、アラート確認。
– 根拠 運営基準上の記録整備と安全管理体制、質管理の必要性。
ヒヤリ・ハット低減のためのチーム内情報共有はリスクマネジメント上の合理的措置。
900〜1200 午前の訪問(2〜3件)
訪問前記録 直近の経過、目標(訪問看護計画書)、前回の未実施課題を端末で確認。
訪問中
観察・ケア実施(例 創部処置、服薬管理、褥瘡予防、呼吸ケア)。
記録 その場でモバイル端末にSOAP形式で入力。
創部や浮腫は同意のうえ写真撮影し、時系列で管理。
音声入力やテンプレートを活用。
連携 状態悪化や指示外対応が必要なら、その場で主治医へ電話またはセキュアメッセージ。
服薬疑義は薬剤師へ連絡。
生活課題はヘルパー・ケアマネに要点共有。
根拠 看護師は医師の指示書に基づき業務を行う必要(保健師助産師看護師法、診療の補助の範囲)。
状態変化時の速やかな報告は診療の継続性・安全確保の観点で必須。
エビデンスとしてもリアルタイム記録・SBAR法による報告が誤伝達リスクを低減するとされる。
訪問後5〜10分
要点整理(SBAR)、次回訪問の仮目標、必要物品をアプリで記載。
医師指示の変更があれば電子指示管理に反映。
根拠 記憶依存を避け、タイムスタンプ付きで経過記録を残すことは法令上の記録義務と監査対応、事故検証の観点で不可欠。
1200〜1300 昼休憩・緊急連絡対応(必要時)
ICT 病院の退院支援看護師や在宅医からの相談にセキュアチャット・電話で応答。
退院前後の調整ではオンラインカンファレンスに参加することも。
根拠 退院時共同指導や在宅移行支援に関する算定では、関係職種との情報共有・共同指導の実施が要件。
退院直後の状態変化予防に有効。
1300〜1630 午後の訪問(2〜3件)
同様の記録・連携を継続。
看取り期やハイリスク事例は家族支援の記録(意思決定支援、ACPの確認)を丁寧に。
疼痛評価や呼吸困難などレッドフラッグは主治医へ即時報告。
ケアマネへの速報 サービス調整が必要な場合は、その場で「生活面の変化・必要な福祉用具・ヘルパー追加の要否」を短文で共有し、詳細は後刻、情報提供書で文書化。
根拠 居宅介護支援(ケアプラン)の実効性確保には適時のフィードバックが不可欠。
介護保険の運営基準ではサービス担当者会議や情報共有の体制整備が求められる。
1630〜1730 ステーション帰所・終業前業務
一日分の記録点検 抜け・誤記の修正、医師指示との整合、実施量・時間の確定。
文書作成・送付
訪問看護記録書(事業所保管用)と利用者宅控えの更新。
月次または適時の訪問看護報告書を主治医に送付(病状、ケア実績、提案・要望)。
介護保険該当者にはケアマネへ情報提供書。
急変・重要事項は当日中に速報。
リハ職(PT/OT/ST)・栄養士・歯科衛生士・薬剤師向けに共同目標・留意点を連絡シートで共有。
カンファレンス・申し送り 高難度ケースのミニカンファを実施し、ハイリスク対策と次回方針を確定。
根拠 指定訪問看護の基準では、計画書・報告書・記録の整備と保存、主治医・ケアマネ等への情報提供が求められる。
診療報酬・介護報酬の算定根拠とも整合。
内部カンファは継続的質改善(QI)と安全管理の実践。
記録業務はいつ・何を・どう書くか
– 訪問前 目的・前回評価・危険予測・必要物品を簡潔に。
アセスメント焦点を明確化。
– 訪問中 観察(バイタル、症状、ADL/IADL、痛み、栄養、水分、排泄、皮膚、認知・精神、家族状況)、実施ケア、指導内容、患者・家族の反応を事実ベースで。
写真は同意を得て、個人情報管理ルールに沿って保存。
創部は計測値(長径・短径・深さ)と滲出液性状を定型入力。
– 訪問直後 SOAPやPOMRで要点を構造化、次回の看護仮説と計画を明記。
緊急連絡の要否を判断し、必要時は即時報告と記録。
– 終業前 時系列整合、指示・同意の根拠(口頭指示は発信者・時刻・内容・復唱確認)を明確化。
算定要件に関わる実施時間・訪問体制を確定。
未完記録は当日中に完了。
– 保存 法令で定める期間(地域・制度要件により概ね2年以上、医療記録は5年が目安)を遵守し、監査や引継ぎに耐える形で保管。
ICT活用の実際
– 電子記録・モバイルアプリ オフライン入力と自動同期、テンプレート、音声入力、写真添付、アラート機能。
SBARテンプレ、看取り期プロトコルなどのクリニカルパスを内蔵。
– 連携プラットフォーム 地域医療介護連携ICT(例 医療介護連携アプリ、自治体の地域連携ネットワーク)で主治医・ケアマネ・薬剤師・リハ職にセキュア共有。
既存のFAX文化はeFaxでデータ化。
– バイタル・IoT 血圧計やSpO2、体重計をBluetooth連携し、閾値超過で看護師に通知。
慢性心不全・COPDなど再入院予防に有効。
– テレナーシング 創部の遠隔確認、家族支援のフォロー、退院直後の見守りにビデオ通話を活用(患者同意・通信環境・セキュリティ要件を満たすこと)。
– セキュリティ 個人情報保護法、医療情報システム安全管理ガイドラインに沿い、端末はMDM管理、二要素認証、通信はVPN/SSL、写真は端末カメラロールに残さない設定。
利用者同意の取得と同意履歴の記録は必須。
多職種連携のタイミングと方法
– 初回導入時 主治医の訪問看護指示書の確認と不足情報の補完。
ケアマネとはケアプランの目標整合と役割分担を合意。
必要に応じサービス担当者会議を開催。
– 定期連携 月次の訪問看護報告書を主治医へ、生活面を中心とした情報提供書をケアマネへ。
リハ職・薬剤師・栄養士へは評価更新時に共有。
– 状態変化・急変時 即時に主治医へSBARで報告し、指示取得。
救急搬送要否を協議。
家族・ケアマネへも速報。
対応後は経過と再発予防策を文書化。
– 退院前後 病院退院支援部門とオンライン/対面カンファ(住宅環境、物品、在宅酸素/経管栄養手順、家族教育)。
退院当日は看護師がフォロー訪問し、逸脱があれば即連絡。
– 看取り期 ACPの確認、在宅医・薬剤師と疼痛・呼吸困難対策、夜間連絡体制を共有。
家族心理的サポート計画を明文化。
– 方法の実際 電話(緊急・複雑時)、セキュアチャット(速報・写真共有)、共同訪問(褥瘡・嚥下など専門性が交差する場面)、定例カンファ(月1等)。
全連絡は「誰に・何を・どう伝え・何が決まったか・次の期限」を記録。
根拠(法令・報酬・実務標準の要点)
– 法令・基準 指定訪問看護の人員・運営基準(厚生労働省令)で、計画書・記録・報告の整備、関係機関連携、情報管理が規定。
保健師助産師看護師法に基づく医師の指示遵守、診療録等の保存義務。
– 診療報酬・介護報酬 在宅医療・訪問看護の算定では、訪問看護指示書の存在、計画的実施、主治医やケアマネへの適時報告、退院時共同指導・多職種連携の実施記録が求められる。
– 安全管理ガイドライン 医療情報システムの安全管理ガイドライン等に基づくアクセス管理・暗号化・ログ管理・同意取得はICT活用の前提。
– 実務標準 日本看護協会・日本訪問看護財団が普及させる標準様式(訪問看護計画書、訪問看護記録書I/II、訪問看護報告書)やSBARなどの標準化は、連携効率と法的リスク低減の根拠ある実践とされる。
運用をうまく回すコツ
– その場記録70%、帰所後30%を目安にタイムリーに入力。
– 連絡はSBARで構造化、重要事項はチャット+電話で二重化。
– 写真・数値・引用で「客観データ」を増やし、主観表現は回避。
– 月次報告はダッシュボード化(目標達成度、イベント、提案)。
– 端末トラブル想定のバックアップ手順(紙様式、代替端末)を整備。
– 患者同意・プライバシー配慮を最優先に、必要最小限の共有に留める。
まとめ
– 訪問看護の記録・ICT・多職種連携は、朝の計画・訪問中の即時記録と即応連絡・終業前の文書化と定期報告、という「時間軸」で回すのが実務の肝です。
– 根拠は、法令・算定要件・安全管理ガイドライン・標準様式といった制度面に加え、リアルタイム記録と構造化コミュニケーション(SBAR)が誤りを減らしケアの継続性を高めるという実践的エビデンスです。
– この枠組みを土台に、地域のICT基盤や事業所の資源に合わせてプロトコル化すれば、質・安全・効率がすべて改善します。
突発対応やオンコールへの備えはどうしており、終業後の振り返りや学びはどのように行うのか?
ご質問のテーマに沿って、訪問看護で働くスタッフの「突発対応・オンコールへの備え」と「終業後の振り返り・学び」を、1日の流れの中に位置づけながら詳しくご説明します。
あわせて、日本の制度や業界標準、ガイドライン等に基づく根拠も最後にまとめます。
突発対応への備え(勤務開始〜日中)
– 朝の情報共有(ミニカンファレンス)
– その日の訪問予定、病状が不安定な利用者、看取り期や退院直後の利用者、医療機器(在宅酸素、胃瘻、気管切開、CVポート、褥瘡など)の管理が必要な利用者を全体で確認します。
– 前日夜間〜当日朝のコール履歴、夜間出動の有無、医師からの新規・変更指示を整理します。
– 想定される突発事象(発熱、呼吸困難、疼痛増強、転倒、チューブ抜去、認知症の行動心理症状など)を予測し、初期対応の割り振り(誰が一次対応・誰がバックアップか)を決めます。
– 持ち物・装備の標準化
– 個人携行セット 聴診器、血圧計、パルスオキシメータ、体温計、グローブ、手指消毒、創傷ケア物品、採血・点滴セット(医師の指示に基づく)、導尿・カテ交換物品、体位変換補助具、緊急連絡カード、感染対策用品など。
– 緊急出動セット(車載・事業所保管) 予備の吸引カテ、酸素回路類、マスク、バックバルブマスク(在宅で準備されている場合の点検用)、ストーマ・気切交換物品、予備バッテリー、夜間ライト、使い捨て防護具等。
薬剤は原則として主治医・訪問診療医の処方を用い、看護職が携行するのは指示に基づく医療材料が中心です。
– 感染対策と安全 標準予防策の徹底、鋭利器材の回収ボックス運用、物品の持ち出し・持ち帰り動線の分離、訪問車両・端末の消毒手順を標準化。
針刺し・体液曝露時の連絡先と受診手順をカード化。
– スケジュール設計とルート最適化
– 急変や追加訪問に備えて1日のルート上に「緩衝時間」を挿入。
午前・午後に各15〜30分程度の可変枠を置き、突発対応が入っても他の訪問が崩壊しない設計にします。
– バックアップ看護師(フリー枠)を1名配置する運用が一般的で、緊急出動・電話フォロー・文書業務の肩代わりに当てます。
– 連絡・医療連携の即応体制
– 主治医・訪問診療医、調剤薬局、ケアマネ、訪問リハ、福祉用具事業所と連絡先を即時発信できるよう端末に集約。
SBAR(状況・背景・評価・提案)で情報整理し、医師指示の受け直しと記録を同時進行します。
– 写真・動画による創部や機器トラブルの共有は事前同意を得たうえで、情報セキュリティ基準を満たす電子カルテ/業務アプリを使用。
– 代表的な突発事例と初期対応フロー(例)
– 呼吸困難(SpO2低下、喘鳴) 体位調整、吸引、酸素流量調整(指示範囲内)、症状緩和、医師へ報告→緊急訪問診療・救急要請のトリアージ。
家族へ説明と安全確保。
– 発熱・感染兆候 バイタル、症状聴取、観察(呼吸数、意識、尿量、皮膚)、必要時検査手配(在宅採血・迅速検査の可否は地域体制による)、医師へ報告→投薬/受診指示。
– チューブ・カテトラブル(胃瘻抜去、尿カテ閉塞) 応急対応可否の判断、消化器・泌尿器の合併症徴候を確認、医師指示で再挿入・交換 or 医療機関受診を手配。
– 転倒・外傷 ABC確認、疼痛・可動域、神経所見、抗凝固薬内服の有無、打撲部観察、救急受診の要否判断、環境調整と再発予防策の即時提案。
– 記録・法令順守
– 指示受けの記録、訪問看護記録書、計画書更新、主治医・ケアマネへの報告書を適時作成。
個人情報保護法・医療情報システム安全管理ガイドラインに沿った端末・クラウド運用を徹底。
オンコール(24時間連絡体制)への備え
– 体制と役割分担
– 24時間連絡体制加算・緊急時訪問看護加算の算定要件を満たすため、事業所は夜間・早朝・休日の連絡窓口と出動体制を整備。
一次待機(電話対応・必要時出動)と二次待機(バックアップ)の2層でローテーションするケースが多いです。
– 当番者は専用携帯・カルテ閲覧端末・利用者一覧(緊急連絡先、キーボックス番号、ドア解錠手順、アレルギー、DNAR/ACP情報、在宅看取り希望の有無、医療機器一覧)を持ち帰り。
– 電話トリアージと出動判断
– 症状別プロトコル・コールスクリプトを用意(例 息切れ、発熱、痛み、出血、点滴・栄養・機器トラブル、せん妄)。
「容態の重症度」「可逆性」「家庭での安全確保可否」を基準に、電話指導のみ/至急出動/救急要請を選択。
– 出動目安時間(例 30〜60分以内)を家族へ事前周知。
夜間は訪問先周辺の安全(街灯・駐車スペース)や鍵の受け渡しを事前に取り決め。
– 物品・移動・安全
– 夜間緊急セット、車両・駐車証、雨具・暗所ライト、携帯バッテリーを常備。
感染性廃棄物は適切な容器で持ち帰り処理。
– 単独夜間訪問の安全配慮として、出発・到着・退去のタイムスタンプを事業所に自動送信、危険兆候時のエスカレーションルールを明確にします。
– 勤務管理と疲労対策
– コール手当、出動手当、代休・勤務間インターバルの確保、週末出動偏在の平準化。
オンコール明けの訪問件数を軽減するシフト設計や、月間オンコール上限の設定で燃え尽き防止。
– 家族教育とACP
– 初回導入時に「緊急時連絡カード」「症状別セルフチェック表」「救急要請のめやす」「服薬・機器トラブル時の対処」を配布し、家族トレーニングを実施。
看取り期は夜間症状(呼吸変化、せん妄、痰詰まり、疼痛)への対処を重点教育。
– 事前指示(ACP、DNAR等)を医師と共有し、夜間の意思決定をスムーズに。
終業後の振り返りと学び(個人・チーム・組織)
– 日次のミニ振り返り(業務終了後15〜30分)
– KPT(Keep/Problem/Try)やGibbsのリフレクションを用いて、良かった点・改善点・明日の具体策を短時間で共有。
突発対応のトリアージ妥当性、家族への説明の分かりやすさ、物品不足や移動遅延の要因を可視化。
– SBARを用いた引き継ぎで、翌日の注意ポイントと仮説(例 抗生剤導入翌日の副作用観察)をチームで一致させる。
– 看護記録の質向上
– SOAP/フォーカスチャーティングで「判断の根拠」「介入と反応」「今後の観察項目」を明確化。
訪問直後記録を原則とし、写真・計測値のエビデンスを添付。
記録監査(同行者・管理者のランダムレビュー)で記録の再現性と法的整合性を担保。
– インシデント・ヒヤリハットの学習化
– ヒヤリハットも含め全件を簡易フォームで登録、週次の安全ミーティングで集計・傾向分析。
再発防止策を標準手順書(SOP)に反映し、PDCAを回します。
重大事案はRCA(根本原因分析)を実施。
– 事例検討・多職種カンファレンス
– 週〜月次で「退院直後支援」「看取り期支援」「医療機器管理」「認知症BPSD対応」などテーマ別に事例検討。
訪問診療医、薬剤師、PT/OT/ST、ケアマネが参加し、目標設定(NOC指標など)とアウトカム振り返り。
– 教育・スキル維持
– 同行訪問(OJT)、チェックリスト評価、シミュレーション(気切・吸引、気道閉塞、胃瘻トラブル、急変初期対応、電話トリアージ)。
eラーニング・院内外研修(在宅緩和ケア、褥瘡予防、感染管理、認知症ケア、虐待・ハラスメント対応)。
– 新人は段階的に受け持ちを拡大し、オンコールデビュー前に想定問答と模擬コール訓練を複数回実施。
– 指標に基づく組織学習
– 緊急コール件数と内訳、夜間出動率、救急搬送率・再入院率、看取り場所の希望達成率、褥瘡新規発生率、満足度、1訪問あたり記録遅延率などの定量指標をダッシュボード化し、月次レビューで是正策を決定。
– メンタルヘルス・ピアサポート
– 看取り後のデブリーフィング、難事例後のスーパービジョン、EAPやカウンセリング窓口の周知。
オンコール負荷の見える化と業務再配分で離職予防。
1日の流れ(例 日勤+オンコール担当日)
– 830 出勤・朝カンファ 夜間コール共有、危険兆候のある利用者を特定、緩衝枠設定
– 900〜1200 訪問1〜3件 1件目で褥瘡の悪化兆候→主治医へSBAR報告し外用変更、福祉用具にポジショニング追加依頼
– 1200〜1230 昼休憩中に家族から機器アラーム相談→電話で一次対応と午後に短時間の追加訪問調整
– 1300〜1630 訪問4〜6件 退院直後利用者の再評価、緊急枠で胃瘻トラブルの再固定、家族教育を強化
– 1630〜1715 記録、主治医・ケアマネへ報告書送付、明日の準備
– 1715〜1745 ミニ振り返り 今日の突発2件をKPTで整理、物品補充ルールを見直し
– 1745 当番者はオンコール携帯・端末・緊急セット受け取り、帰宅
– 2110 コール受電 在宅酸素のSpO2低下、体位変更と呼吸法を電話指導→10分後再評価で改善。
翌朝の訪問で機器点検を計画
– 040 コール受電 看取り期の疼痛増強→訪問診療医と三者連携でレスキュー投与指示、看護師出動し評価・家族支援
– 翌830 出動内容を共有、オンコール明けの代休・業務軽減を調整
根拠(制度・ガイドライン・実務標準)
– 24時間連絡体制とオンコール
– 介護保険・医療保険の訪問看護では、24時間連絡体制加算や緊急時訪問看護加算が設けられており、事業所は夜間・休日の連絡窓口と出動体制を整備することが要件とされています(厚生労働省の介護報酬・診療報酬通知)。
– 電話相談→必要時の緊急訪問→医師連携という階層的対応は、加算要件および多くの運営手引きに準拠した標準運用です。
– 記録と情報共有
– 訪問看護計画書・報告書・記録書の整備、主治医・ケアマネへの定期報告は、厚生労働省様式・留意事項で義務づけ。
電子カルテやセキュアな業務アプリの活用は医療情報システム安全管理ガイドラインに適合することが推奨されています。
– SBARやSOAP等の記録・連携フレームは日本看護協会や多職種連携の実務で普及している標準的手法です。
– 感染対策・安全管理
– 標準予防策、鋭利器材管理、曝露時対応、医療廃棄物の取り扱いは医療法、労働安全衛生法、感染管理ガイドラインで求められる実務。
訪問系では持ち運び・持ち帰り動線や物品消毒の標準化が推奨。
– 教育・振り返り
– 看護職の生涯学習・継続教育、事例検討・リフレクションの実施は、日本看護協会の生涯学習指針や在宅看護の実践ガイド等で推奨。
KPTやデブリーフィング、シミュレーションは在宅の質改善活動として広く導入されています。
– インシデント管理とRCA/再発防止のPDCAは、医療安全管理体制の基本要件として位置づけられています。
– アウトカムとオンコールの効果
– 24時間連絡体制や電話トリアージ、早期介入は、再入院・救急搬送の抑制、在宅看取りの希望実現に資するという報告が国内外で蓄積。
地域包括ケアの政策文書でも、在宅療養の継続性確保の要素として評価されています。
まとめ
訪問看護の突発対応とオンコールは、予測(リスク把握)・標準化(物品・記録・連絡)・柔軟性(緩衝枠・二層待機)・学習(振り返り・教育・指標活用)の4本柱で回ります。
終業後の短時間の振り返りから、週次の安全ミーティング、事例検討、シミュレーション教育までを連動させることで、夜間を含む不確実性に強いチームを維持できます。
制度上の24時間連絡体制や報告・記録の要件を満たしつつ、現場の実装度を高めることが、利用者・家族の安心とスタッフの持続可能な働き方の両立につながります。
【要約】
訪問看護の朝は、身だしなみ・体調確認から始まり、朝礼で夜間報告や当日計画を共有。各利用者の状態とケア内容、感染対策と物品を再確認し、効率的なルートを組む。必要時に事前連絡、車両や端末を点検。書類・端末を管理し、バイタル機器、処置・専門物品、PPE、生活支援用品、記録ツールをチェックして出発。