コラム

はじめての訪問看護 完全ガイド 相談先から保険の選び方、必要書類、指示書・アセスメント、開始まで

まず誰に相談・申し込めばよいのか(ケアマネ・主治医・訪問看護ステーション)?

結論から言うと、「誰に最初に相談・申し込むのがよいか」は、その人の状況(介護保険の認定の有無、入院中か在宅か、医療的ケアの重さ、年齢や障害の制度利用状況)によって最適解が変わります。

最短・確実に進めるための基本軸は次のとおりです。

すでに介護保険の要介護・要支援認定があり、担当ケアマネジャー(介護支援専門員)がいる人
→まず担当ケアマネに相談が最速・確実。

ケアプラン調整と訪問看護ステーションの選定、主治医への指示書依頼まで一括で調整してくれます。

まだケアマネがいない/要介護認定がない・申請前の人(在宅)
→地域包括支援センター(市区町村委託の総合相談窓口)か市区町村の介護保険窓口へ。

必要なら認定申請からケアマネ選定、暫定ケアプランによる早期導入まで伴走します。

入院中で退院後に訪問看護を使いたい人
→病院の主治医と地域連携室(医療ソーシャルワーカー、退院支援看護師)に相談。

退院前カンファレンスで訪問看護ステーションを選び、退院日から開始できるよう指示書・情報提供書を整えてくれます。

医療的ニーズが高い、急に症状が悪化した、在宅酸素・点滴・褥瘡処置・終末期など
→主治医にまず相談。

医師の「訪問看護指示書」は必須で、急性増悪時は「特別訪問看護指示書」(14日間の頻回訪問を想定)を発行してもらえるため、主治医起点が安全・迅速です。

どこに聞けばいいか分からない/とにかく急ぎで相談したい
→訪問看護ステーションへ直接連絡も可。

医師の指示書が必要なため、ステーションが主治医・ケアマネ・地域包括と連絡調整してくれます。

24時間対応の有無や対応領域(小児・精神・難病など)も聞けます。

以下、個別に詳しく解説します。

それぞれの相談先の役割と向いているケース

– ケアマネ(担当がいる場合)
役割 ケアプラン(居宅サービス計画)の作成、サービス事業者の選定・調整、費用・単位管理、緊急時連携。

向いているケース 在宅で介護保険サービスをすでに利用中、生活支援やデイサービス、福祉用具、訪問介護などと組み合わせたい場合。

訪問看護の頻度・時間・内容を他サービスと整合させ、介護保険の枠内(単位)で最適化してくれます。

注意点 医師の指示書が必要なため、主治医との連携をケアマネがステーションとともに進めます。

主治医(病院・診療所)
役割 訪問看護指示書の発行、医療的必要性の判断、薬剤・検査・処置の指示、緊急時の医療連携。

向いているケース 医療依存度が高い、病状が不安定、疼痛コントロールや輸液管理、褥瘡治療、終末期ケアなど医療的介入が中心になる場合。

入院中の方もここが起点になります。

注意点 実施主体の調整(どの訪問看護ステーションに依頼するか)は、地域連携室やケアマネ、家族と相談して決めます。

訪問看護ステーション
役割 初回相談・事前アセスメント、主治医への指示書依頼補助、契約、訪問スケジュール調整、実地の看護提供、24時間体制の有無に応じたオンコール対応。

向いているケース どのステーションが自分の疾患・年齢層(小児・精神・難病・ターミナル)に強いか知りたい、開始時期や費用の見通しを知りたい、急ぎで仮押さえしたい場合。

注意点 制度上、最終的には必ず医師の指示書が必要。

介護保険を使う場合はケアプランが必要なので、ケアマネが未決定なら並行して決める必要があります。

地域包括支援センター(在宅・ケアマネ不在時)
役割 介護保険の総合相談・権利擁護・包括的支援。

要介護認定の申請支援、ケアマネ紹介、暫定ケアプラン作成の橋渡し。

向いているケース 初めてで制度がわからない、ケアマネがいない、要支援・事業対象者、独居や家族負担が重い等の生活課題が混在する場合。

病院の地域連携室/医療ソーシャルワーカー(入院中)
役割 退院支援計画、在宅サービス選定、医療機関・在宅側の情報連携、日程調整、保険・費用相談。

向いているケース 退院後すぐに訪問看護を開始したい、在宅療養移行が不安、多職種カンファレンスが必要。

そのほかの窓口
障害福祉サービス利用者は相談支援専門員、精神疾患は精神保健福祉センターや主治医、小児は子ども家庭支援系窓口や小児対応の地域連携室が起点になりやすいです。

制度面の基本(介護保険と医療保険の使い分け)

– 原則 在宅の高齢者で要介護・要支援認定がある場合、訪問看護は介護保険が優先(介護保険法の「給付の調整」および厚労省通知による原則)。

ケアマネのケアプランに位置づけて利用します。

– 例外 急性増悪時や末期の悪性腫瘍、難病等では医療保険での訪問看護(訪問看護療養費)や「特別訪問看護指示書」による頻回訪問が可能。

医療的必要性が高いと判断された場合に、医療保険優先が適用されます。

– いずれの場合も、訪問看護は医師の「訪問看護指示書」に基づき提供されます(看護師法上の医師の指示下での診療の補助、健康保険法・介護保険の各省令・告示による算定要件)。

申し込みから開始までの標準フロー

– ステップ1 相談
上記の最適窓口(ケアマネ/主治医/ステーション/包括支援)に連絡。

病状、生活状況、希望開始時期、通院先、保険証の種別などを伝えます。

– ステップ2 制度選択と準備
介護保険か医療保険かを判断。

介護保険の場合、要介護認定が未了なら申請(原則30~45日)。

急ぎの場合は暫定ケアプランで先行利用を検討。

医療保険の場合は対象疾患・頻度等を確認。

– ステップ3 主治医の指示書
訪問看護ステーションから主治医へ指示書を依頼、または患者家族から主治医に発行相談。

病院から在宅への移行時は退院支援部門が調整。

– ステップ4 事業者選定・事前面談
対応領域(小児・精神・リハビリ可否)、24時間対応の有無、訪問可能エリア、開始可能日を確認。

アセスメント訪問(自宅または病院)で契約前説明、同意書・個人情報同意、費用説明。

– ステップ5 ケアプラン・契約
介護保険ならケアマネがケアプランに位置づけ、サービス担当者会議で内容合意。

ステーションと契約。

医療保険の場合は医師の指示書に沿ってステーションと契約。

– ステップ6 初回訪問
バイタル確認、環境評価、必要物品の確認、緊急連絡体制の説明(24時間連絡先、オンコール)。

以後の訪問頻度・時間帯の最終調整。

期間の目安
– 既に要介護認定あり+ケアマネあり+主治医同意が得られるケース 1週間前後で開始可能なことが多い。

– 入院中で退院調整が進んでいるケース 退院当日から開始が一般的。

– 新規で要介護認定からの開始 申請~認定まで1~1.5カ月が目安だが、暫定プラン・医療保険等で前倒し可能な場合あり。

– 急性増悪時 特別訪問看護指示書で即日~数日以内の開始が図られることも。

どこに相談すべきかの実践的な目安(ケース別)

– 介護保険サービスを既に利用中 担当ケアマネ→主治医→訪問看護の順で一括調整(実務上はケアマネとステーションが並行調整)
– 入院中で自宅退院予定 主治医・病院地域連携室→訪問看護→ケアマネ(不在なら紹介)
– がんの在宅療養・緩和ケア 主治医(緩和ケアチーム含む)→24時間対応ステーション
– 精神科訪問看護を希望 精神科主治医→精神科対応ステーション(PSWと連携)
– 小児(医療的ケア児含む) 小児科主治医・地域連携室→小児対応ステーション、自治体の子育て支援窓口にも相談可
– 難病・人工呼吸器・在宅酸素 主治医→経験豊富なステーション
– ケアマネ不在・制度が不明 地域包括支援センター→ケアマネ紹介→ステーション
– とにかく急ぎで具体的に動きたい 希望の訪問看護ステーションへ直接電話→主治医・ケアマネとの連絡をステーションが代行

費用・準備物のポイント

– 費用負担 介護保険・医療保険ともに自己負担は原則1~3割。

24時間対応や緊急訪問、リハビリ(PT/OT/ST)の有無で変動。

交通費・衛生材料費等は実費の場合あり(事前説明で確認)。

– 必要書類 保険証(健康保険・介護保険・後期高齢者等)、負担割合証、医療証(難病・自立支援医療など)、お薬手帳、退院サマリー(入院中の場合)。

– サービス内容 病状観察、服薬管理、創傷ケア、医療デバイス管理、清潔ケア、排泄・栄養支援、リハビリ、家族支援、看取り支援等。

– 体制確認 24時間対応の有無、対応時間帯、緊急電話加算の体制、訪問できる曜日、担当者の専門性(小児・精神・緩和・皮膚・リハ等)。

根拠(制度・法令・通知の考え方)

– 訪問看護は医師の指示に基づき看護職が提供する医療・介護サービスであり、医師の「訪問看護指示書」が必須と位置付けられています(看護師法における診療の補助の原則、健康保険法に基づく療養の給付・診療報酬上の算定要件、介護保険における指定訪問看護の運営基準等)。

– 介護保険の訪問看護は「居宅サービス」の一つで、居宅介護支援(ケアマネ)による居宅サービス計画(ケアプラン)に基づき提供することが原則です(介護保険法および厚生労働省令「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」)。

– 在宅の高齢者については、原則として介護保険優先で訪問看護を利用し、医療的必要性が高い場合や急性増悪時などには医療保険での訪問看護(訪問看護療養費)や「特別訪問看護指示書」による頻回訪問が認められています(厚生労働省の通知・告示、診療報酬・介護報酬の算定ルール)。

– 入院から在宅への移行時には、退院支援・地域連携の枠組み(病院の地域連携室、医療ソーシャルワーカー、退院支援看護師)を通じて、主治医の情報提供と在宅事業者の選定・調整を行うことが推奨されています(医療介護連携に関する厚労省のガイドラインや加算要件等の考え方)。

相談先の探し方

– 市区町村役所の介護保険課/地域包括支援センターに電話。

担当圏域の包括が教えてくれます。

– 主治医に「訪問看護を使いたい」と伝える。

病院であれば地域連携室を紹介してくれます。

– 日本看護協会等が運営する訪問看護ステーションの検索サイト、都道府県ナースセンター、地域医師会の案内を活用。

– 友人・かかりつけ薬局・地域の在宅診療クリニックからの紹介も有効。

よくあるつまずきと対処

– どの保険を使うのかが曖昧 主治医とステーションに病状と目的を伝え、算定区分を確認。

ケアマネにも共有。

– ケアマネが見つからない 地域包括支援センターに複数事業所の候補を出してもらい、相性や対応力で選ぶ。

– 希望日に開始できない 複数のステーションに問い合わせ、初回のみ他事業所で対応するなど柔軟に。

– 24時間対応が必要か分からない 夜間の不安や急変リスクをステーションと評価し、オンコール体制の有無で選ぶ。

– 精神科や小児など専門性が必要 対応実績のある事業所を最優先で探す。

地域連携室や包括に「専門対応可」のリストを依頼。

まとめ
– 介護保険のケアマネがいるなら、まずケアマネに相談するのが最短。

– 入院中や医療的ニーズが高いなら、主治医・病院の地域連携室に相談が安全・迅速。

– ケアマネ不在・制度不明なら、地域包括支援センターへ。

– 急ぎや具体的な可否確認は、訪問看護ステーションへ直接連絡も有効。

– いずれのルートでも、最終的には医師の訪問看護指示書と(介護保険なら)ケアプランに基づいて開始されます。

上記を踏まえ、ご自身の状況に一番近い窓口から動き始めるのが、開始までの時間短縮と手続きの確実化につながります。

もし差し支えなければ、年齢、現在の住まい(在宅/入院中)、要介護認定の有無、主な病状や医療機器の有無、希望開始時期を教えていただければ、最適な進め方をより具体的にご提案します。

介護保険と医療保険はどちらを使うのか、利用条件や自己負担はどう違うのか?

以下は「初めての訪問看護」を利用する際の、申込みから開始までの流れと、「介護保険」と「医療保険」のどちらを使うか・利用条件・自己負担の違いを、根拠とともにまとめた解説です。

制度は毎年改定があり、地域運用や事業所ルールにも差があります。

最終確認はお住まいの市区町村窓口・保険者(健康保険組合/協会けんぽ/国保など)・主治医・ケアマネジャー・訪問看護ステーションで行ってください。

申し込みから開始までの全体の流れ(初めての方)

– 相談先の確保
– 65歳以上 地域包括支援センター(最寄りの市区町村が案内)、既にケアマネがいればケアマネへ。

– 退院予定の方 病院の地域連携室(医療ソーシャルワーカー)。

– 上記が難しければ、主治医またはお近くの訪問看護ステーションに直接連絡しても可(事業所から関係者につないでもらえます)。

– 保険の確認と方針決定(介護保険 or 医療保険)
– 要介護認定の有無・年齢・疾患・医療処置の有無で使う保険を判定(下記2参照)。

– 主治医が訪問看護の必要性を判断し、必須書類「訪問看護指示書」を発行する前提を整えます(介護・医療どちらでも指示書は必須)。

– 介護保険で利用する場合(原則 要介護認定を受ける方)
– 市区町村に「要介護認定」を申請(初回は結果が出るまで原則30日程度)。

– 認定前でも「暫定ケアプラン」で早期開始できる運用あり(自治体との事前調整が必要)。

– 認定結果(要支援1〜2/要介護1〜5)→ケアマネ選定→アセスメント→居宅サービス計画(ケアプラン)作成。

– 訪問看護ステーション選定・契約→主治医に「訪問看護指示書」依頼→初回訪問(契約・説明・同意の上でスタート)。

– 医療保険で利用する場合(要介護認定が無い/特定の医療的状態など)
– 主治医が「訪問看護指示書」を発行(有効期間内で更新)。

– 訪問看護ステーションと契約→スケジュール調整→開始。

– 退院当日からの開始も多く、退院前カンファレンスで内容を擦り合わせます。

– 初回に準備するもの
– 保険証類(介護保険被保険者証、健康保険証、負担割合証、高齢受給者証、各種医療証等)
– お薬手帳・処方内容、診療情報提供書(あれば)、医療機器・福祉用具情報
– 連絡先(主治医、家族、ケアマネ)

介護保険と医療保険はどちらを使う?
基本ルール

– 原則 要介護認定(要支援/要介護)を受けている方は「介護保険が優先」です。

– 例外(医療保険での算定が認められる主なケース)
– 特別訪問看護指示書が出ている期間(急性増悪や退院直後等で最大14日間) 医療保険で優先・回数増が可能。

– 末期の悪性腫瘍などターミナル期で、医療的管理が主目的の場合。

– 人工呼吸器、在宅酸素療法、中心静脈栄養、腹膜透析、気管カニューレ、創傷管理(褥瘡含む)等の高度な医療処置が継続的に必要な場合。

– 精神科訪問看護は医療保険で算定(介護保険の訪問看護とは枠組みが異なる)。

– 年齢・認定との関係
– 65歳以上 要介護認定があれば原則介護保険。

認定が無ければ医療保険で開始→後日、介護保険へ切替も。

– 40〜64歳 介護保険は「加齢に伴う特定疾病」が原因の場合に限り要介護認定の対象。

該当しなければ医療保険で利用。

– 0〜39歳 医療保険で利用(小児・若年者含む)。

利用条件(対象・回数・内容など)の違い

– 共通事項
– 訪問看護は必ず主治医の「訪問看護指示書」に基づいて提供。

病状観察、服薬・療養指導、点滴・カテーテル管理、創傷ケア、リハビリ的関わり、終末期ケア、家族支援、医師への報告連携など。

– 24時間連絡体制や緊急訪問に対応する事業所もある(加算・体制により異なる)。

– 介護保険(訪問看護/介護予防訪問看護)
– 位置づけ 生活の維持・自立支援に重心。

ケアプラン内で回数・時間を調整。

– 単位・加算 時間区分や特別管理加算、緊急時訪問加算、24時間連絡体制加算など(ケアマネ・事業所が具体化)。

– 上限 要介護度別の「月間支給限度額」内で1〜3割負担。

限度額を超えると超過分は全額自己負担(後述の高額介護サービス費で払い戻し対象となる場合あり)。

– 認定前開始 自治体の運用で暫定ケアプラン可。

– 医療保険(在宅患者訪問看護・指導料 ほか)
– 位置づけ 医療的管理・処置に重心。

主治医指示に基づき回数・時間を設定。

– 回数 原則「週3回まで」。

ただし「特別訪問看護指示書」の期間(14日以内)はこの上限が外れ、必要に応じて毎日訪問が可能。

ターミナル等で例外的な増回が認められる場合もあり、個別に主治医・保険者と調整。

– 併用 同一月に訪問看護を介護保険と医療保険で二重算定することは原則不可(どちらか一方で算定)。

精神科訪問看護は医療保険算定。

自己負担(費用)の違い

– 介護保険
– 利用者負担 原則1割。

一定以上所得の方は2割または3割(「介護保険負担割合証」に記載)。

– 支給限度額 要支援・要介護度ごとに月の上限(単位)があり、ケアプランの総量がその枠内なら自己負担は1〜3割。

枠を超えた分は全額自己負担。

– 高額介護サービス費 世帯の所得区分ごとに月額自己負担の上限が定められ、上限を超えた分は払い戻し。

医療と介護を合算する「高額医療・高額介護合算制度」もあり。

– 追加費用 時間外・緊急・複数名訪問等の加算が付けば自己負担も相応に増加。

通常の交通費は保険内に含まれるが、遠方・有料道路等は自費徴収を定める事業所もある。

– 医療保険
– 利用者負担 原則3割。

義務教育就学前や健保の年齢区分、70歳以上は2割(現役並み所得は3割)など、年齢・所得で変動。

– 高額療養費制度 月ごとの自己負担上限が所得区分で設定。

世帯合算や多数回該当の軽減もあり。

限度額適用認定証の事前取得で窓口負担を抑制可。

– 回数増(特別訪問看護指示期間等)があると、その分の自己負担も増えるが、高額療養費で月単位の上限を超えた分は払い戻し対象。

– 追加費用 時間外・緊急・複数名訪問等の加算により自己負担が増えることがある。

交通費の自費取り決めは事業所ごと。

選び方の実務ポイント

– 要介護認定の有無で優先保険が決まるため、認定がまだの方は早めに申請。

退院直後で急ぐ場合は、医療保険で先行スタート→後日介護保険へ切替もよくある流れ。

– 医療的処置が多い・重症管理が必要な場合は、要介護認定があっても医療保険適用になる可能性があるので、主治医・訪問看護ステーションに相談。

– 同一月に介護と医療の訪問看護を重複請求できないため、月初の段階で「どちらで算定するか」を関係者間で統一。

– 事業所ごとに体制(24時間対応、専門分野、リハビリ可否、時間外訪問可否)が異なる。

必要な処置に強い事業所を主治医・ケアマネと選定。

– 交通事情・訪問可能エリア・待機件数も事前確認。

緊急対応の可否・料金ポリシー(自費発生条件)も聞いておくと安心。

よくあるケース別の目安

– 退院直後で状態が不安定 主治医が特別訪問看護指示書を発行→医療保険で毎日~高頻度訪問→状態安定後に介護保険へ切替。

– 末期がんの在宅緩和ケア 医療保険算定が多い。

夜間・緊急を含む体制を重視して事業所選定。

– 慢性疾患で病状安定・生活支援が中心 介護保険。

ケアマネを中心に他サービス(訪問介護、デイ等)と組み合わせ最適化。

– 精神疾患の在宅療養 精神科訪問看護(医療保険)。

回数や内容は主治医・事業所と調整。

根拠(法令・公的資料の出典の例)

– 介護保険の優先原則・対象・負担
– 介護保険法(訪問看護が介護給付・介護予防給付の対象であること、要介護認定の仕組み)
– 厚生労働省「介護保険制度の概要」 制度全体、要介護認定、負担割合や支給限度額、高額介護サービス費等の説明
– https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000183310.html
– 厚生労働省「要介護認定」関連ページ(申請~認定プロセス)
– https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192990.html
– 指定居宅サービスの基準(訪問看護の人員・運営基準に関する省令・通知)
– https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000053551.html
– 医療保険での訪問看護(診療報酬)
– 診療報酬点数表(在宅)における「在宅患者訪問看護・指導料」「訪問看護管理療養費」等の算定要件(原則週3回、特別訪問看護指示書の14日間は回数制限を外す等)
– 厚生労働省 診療報酬(在宅)総合ページ
– https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html
– 特別訪問看護指示書に関する通知(急性増悪等により主治医が必要と認める場合に14日以内で増回可とする運用) 
– 厚生労働省保険局医療課の事務連絡・通知群(各年度改定で取扱い明示)
– 自己負担の上限制度
– 高額療養費制度(医療保険) 月額上限、所得区分、世帯合算等
– https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106602.html
– 高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費(介護保険) 
– 介護保険給付の負担・給付上限関連(厚労省)
– https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kaigo_kyufu/index.html
– 介護保険の特定疾病(40〜64歳)
– 厚生労働省「介護保険の被保険者と給付」等の説明資料に例示(脳血管疾患、がん末期、パーキンソン病関連疾患、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎不全 等の加齢に伴う16疾病)
– 上記「介護保険制度の概要」ページ内の資料参照

まとめ(選定の指針)

– 65歳以上で要介護認定がある場合は、原則「介護保険」。

ただし、退院直後の不安定期・ターミナル・高度医療処置などは「医療保険」になることがある。

– 40〜64歳は、特定疾病由来で要介護認定があれば介護保険、無ければ医療保険。

– 自己負担は、介護保険は1〜3割+月の支給限度額管理+高額介護サービス費、医療保険は2〜3割(年齢・所得で異なる)+高額療養費で上限管理。

– 実務では、主治医の指示書とケアマネのケアプランが要。

早めの申請・調整で待機期間を短くできる。

必要であれば、お住まいの市区町村名を教えていただければ、相談窓口(地域包括支援センター等)や近隣の訪問看護ステーションの探し方、申請の具体的手順の確認ポイントも個別にご案内します。

制度適用の可否や自己負担見込みは、主治医・ケアマネ・訪問看護ステーションと三者で早めに共有し、月初に「介護か医療か」を決めておくとスムーズです。

申し込み時に必要な情報・書類や事前に準備しておくべきことは何か?

はじめて訪問看護を利用する際の「申し込みから開始までの流れ」と、申し込み時に必要な情報・書類、事前準備のポイントを、介護保険・医療保険それぞれのケースを分けながら詳しく整理します。

最後に根拠(法令・通知等)もまとめて記します。

自治体や事業所で細部は多少異なりますが、全体像と必須事項は共通です。

全体の流れ(どこに相談するか/どの制度で使うか)

– まずの相談先
– すでにケアマネジャーがいる場合 ケアマネに「訪問看護を使いたい」と連絡。

ケアプランに位置付け、事業所選定と調整を依頼。

– ケアマネがいない場合(在宅) 市区町村の地域包括支援センター、または近隣の訪問看護ステーションへ直接相談。

– 入院中で退院予定がある場合 病院の地域連携室(医療ソーシャルワーカー)に退院後の訪問看護希望を伝え、退院前カンファレンスを設定。

– 利用制度の分かれ目
– 介護保険で利用 原則65歳以上で要支援・要介護の方(40~64歳は特定疾病該当で要介護認定取得)。

ケアプランに基づき提供。

– 医療保険で利用 要介護認定がない、あるいは病状から医療保険優先(末期がん、急性増悪期、難病等)。

医師の訪問看護指示書に基づき提供。

– 初回開始までの標準的な段取り(共通)
1) 初回相談・聞き取り(ニーズ確認)
2) 主治医へ訪問看護指示書の依頼(介護・医療どちらでも必須)
3) 事業所による事前訪問(アセスメント)と重要事項説明
4) 契約・同意書締結、保険証等の確認
5) 訪問看護計画書の作成・同意
6) 訪問スケジュール確定・開始
急ぎの場合は、暫定ケアプランや指示書のFAX等で先行着手し、原本回収・正式契約を後追いする運用もあります。

申し込み時に必要な情報・書類(共通事項)

– 本人確認・保険関係
– 健康保険証(医療保険)
– 介護保険被保険者証(介護保険で利用する場合)
– 負担割合証(介護保険1~3割、医療保険2~3割など)
– 公費負担医療の受給者証(自立支援医療、難病医療、小児慢性、重度心身障害等が該当すれば)
– 高額療養費関連(限度額適用認定証等があれば)
– 医療情報
– 主治医の氏名・医療機関・連絡先
– 診断名、既往歴、アレルギー
– 直近の退院サマリーや診療情報提供書(あれば)
– お薬手帳(処方薬、残薬、サプリ含む)
– 感染症の有無(MRSA等)、ワクチン接種状況
– 医療機器・処置の有無(在宅酸素、吸引、胃瘻・経管栄養、インスリン、ストーマ、人工呼吸器、褥瘡処置など)
– 生活・環境情報
– 住所・連絡先・緊急連絡先(家族、後見人、近隣支援者)
– 生活状況(独居/同居、介護者の有無・就労状況、ペットの有無)
– 住環境(段差、ベッド、トイレ・浴室、電源、駐車やエレベーターの有無、鍵の取り扱い)
– 既存の介護サービス(ヘルパー、デイ、福祉用具レンタル等)
– 希望する訪問曜日・時間帯、支援内容(例 週2回のバイタル確認と服薬管理、入浴前後の観察、褥瘡ケア など)
– 契約・同意関連
– 重要事項説明書への同意
– 個人情報・医療情報の共有同意(主治医やケアマネ等との連携)
– 緊急時の対応方針(夜間・24時間体制の有無、オンコール希望)
– 代理人が契約する場合は代理権が分かる書類(委任状、成年後見登記事項証明書等)
– 料金支払い方法(口座振替依頼書、クレジット等、事業所の規定による)
– 制度別の追加要件
– 介護保険 要介護(支援)認定結果、ケアマネ情報。

未認定でも申請中であれば暫定運用の相談可。

– 医療保険 医師の訪問看護指示書(初回時に原本到着が間に合わない場合、FAX可・後日原本回収が一般的)。

特別訪問看護指示書が必要な状態(週4超など)では、別途手続き。

事前に準備しておくと開始がスムーズなこと

– 医療・ケア情報の整理
– お薬手帳を最新化(飲み方、内服忘れ、アレルギー、OTC・サプリも)
– 最近の検査結果(血液・画像)や退院サマリーがあればコピー
– 今困っていることを具体化(痛み、むくみ、睡眠、食事量、転倒、排泄、口腔、認知面、嚥下など)
– 希望するゴール・優先順位(例 再入院を避けたい、疼痛コントロール、リハビリで屋内自立、看取りの準備など)
– 主治医との調整
– 訪問看護導入の同意を確認し、指示書発行の依頼窓口(外来・地域連携室)を把握
– 連絡手段(電話・FAX)と緊急時の連絡ルールを確認
– 住環境・物品
– ベッド、手すり、ポータブルトイレ等の福祉用具は、必要ならケアマネ経由でレンタル手配(介護保険)
– 医療機器(酸素、吸引器、栄養ポンプ)は業者選定・設置日調整
– 物品の基本は事業所が持参するが、継続処置がある場合は衛生材料の手配ルール(支給か自費か)を事前確認
– 感染対策(手指消毒、マスク、ペット対応)や火気・喫煙、駐車スペースの確認
– 費用・制度
– 自己負担割合、1カ月の想定回数から概算費用を把握
– 高額療養費制度や公費助成の適用可否を確認
– 24時間対応加算、緊急訪問加算の有無と条件を理解(夜間・休日の費用差も)
– 連携・安全
– 緊急連絡先のリスト化(家族、主治医、訪看ステーション、ケアマネ)
– 鍵の扱い、インターホン、ペットの隔離、貴重品の管理ルール
– サービス担当者会議の日程調整(複数サービス併用時)

ケース別の流れ(簡易シナリオ)

– 介護保険で開始する一般例
1) 地域包括やケアマネに相談→要介護認定未取得なら申請
2) 認定結果(要支援・要介護)→ケアプラン作成
3) 主治医へ訪問看護指示書依頼
4) 訪看事業所と契約・アセスメント→計画書→開始
急ぎの場合 認定前でも暫定ケアプランで先行、後日認定に遡って精算する運用あり。

– 医療保険で開始する例(末期がん等)
1) 主治医が訪問看護指示書(必要に応じ「特別指示」)を発行
2) 訪看事業所と契約・アセスメント→計画→開始
3) 介護保険該当なら並行して認定申請し、落ち着いたら介護保険へ移行も可
– 退院前連携の例
1) 病院地域連携室が在宅チーム(訪看、ケアマネ、福祉用具)に依頼
2) 退院前カンファレンス実施(病状、処置、物品、訪問開始日時を決定)
3) 退院当日または翌日から訪問開始

よくある確認ポイント

– 訪問回数や時間帯は?
 医師の指示書と状態、介護保険の区分や予算内で調整。

緊急時は追加訪問も可(事業所の体制次第)。

– リハビリも可能?
 訪問看護によるリハ(理学・作業・言語)が可能。

必要に応じて訪問リハビリ(別サービス)と併用。

– 家族不在で対応できる?
 独居でも可。

鍵の管理方法、緊急連絡先、オンコール体制を事前に決める。

– 物品は誰が用意?
 創傷材や衛生材料は事業所が持参・請求か、処方や自費購入など事業所方針で異なるため初回説明で確認。

申し込み時の実用チェックリスト

– 健康保険証/介護保険証/負担割合証/各種受給者証
– 主治医の連絡先、診療情報(退院サマリー)、お薬手帳
– 緊急連絡先一覧、代理権書類(必要時)
– 住環境情報(段差・ベッド・駐車・鍵・ペット)
– 希望曜日・時間、優先したいケア目標と困りごと
– 料金支払方法(口座情報等)、同意・連携に関する希望
– 既存サービス(ヘルパー等)の担当者名・連絡先

根拠(法令・制度上の位置づけ)

– 介護保険制度
– 介護保険法および同施行規則 要介護認定、居宅介護支援(ケアプラン)に基づくサービス提供の枠組みを定める。

– 指定訪問看護の事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令) 訪問看護は医師の指示に基づき提供すること、提供記録、計画書、24時間連絡体制の運営要件等を規定。

– 介護報酬の算定構造(厚生労働省告示・通知) 訪問看護計画書の作成・交付、初回加算、24時間対応加算、サービス担当者会議等の要件を規定。

– 医療保険制度
– 健康保険法に基づく訪問看護療養費の支給基準(厚生労働省告示・通知) 医師の訪問看護指示書の必要性、特別訪問看護指示書による頻回訪問、末期がん・在宅用医療機器装着等の取扱いを規定。

– 診療(介護)報酬実務通知 指示書の様式・有効期間、算定要件、主治医との連携記録等を示す。

– 行政運用
– 介護保険最新情報等(厚生労働省) 認定前の暫定ケアプランによる先行利用、入退院時情報連携、ケアプラン位置付けの取扱い等の運用を周知。

– 個人情報・契約
– 個人情報保護法、医療・介護分野のガイドライン 情報共有の同意、目的外利用の制限等。

上記に基づき、訪問看護は「医師の指示書に基づいて」「契約と説明・同意を経て」「計画書に従い提供」されること、介護保険ではケアプラン位置付けが必要であること、が制度上の要件です。

最後に
急いで導入したい場合でも、主治医の指示書と最低限の契約・同意、保険確認ができれば開始自体は可能なことが多いです。

並行して足りない書類(原本、受給者証、銀行手続き等)を整えていきましょう。

具体的な進め方は、地域包括支援センター、担当ケアマネ、または希望する訪問看護ステーションに相談すると、地域のルールや空き状況を踏まえた最短ルートを案内してもらえます。

主治医の指示書の手続きと初回アセスメントはどのように進むのか?

以下は、日本で初めて訪問看護を利用する際の「申し込みから開始までの全体の流れ」と、その中でも特に重要な「主治医の訪問看護指示書の手続き」と「初回アセスメント(初回訪問での評価)」がどのように進むかを、根拠も交えながら詳しくまとめたものです。

実際の運用は自治体や医療機関・事業所によって細部が異なる場合がありますが、基本の考え方と標準的手順は共通しています。

申し込みから開始までの全体像(最短〜一般的な流れ)

– 相談・問い合わせ
– ご本人・ご家族、病院の医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター、ケアマネジャー、かかりつけ医などから訪問看護ステーションへ相談。

– 制度の選定(介護保険か医療保険か)
– 要介護・要支援認定がある場合は原則介護保険で提供(医療的な急性増悪時は医療保険に切替あり)。

– 認定がない、もしくは対象外の医療必要度が高い場合は医療保険で利用。

– 主治医の確定と指示書依頼
– 訪問看護は必ず主治医の「訪問看護指示書」に基づいて実施します。

– ケアマネまたは訪問看護ステーションが主治医に指示書作成を依頼(ご家族から依頼するケースも可)。

– 事前情報収集・訪問日調整
– 退院前であれば病院でのカンファレンス(退院調整)や看護サマリー、処方内容の確認。

– 在宅からの新規なら、これまでの通院情報・疾患・生活状況を家族から聴取。

– 初回訪問(初回アセスメント)
– 看護師が家庭を訪問し、全身状態・生活環境・ご本人の意向などを網羅的に評価。

– 訪問看護計画書の作成と同意
– 初回アセスメントに基づき計画書を作成し、ご本人・ご家族に説明、同意署名。

– 主治医・ケアマネへ共有し、必要に応じてサービス担当者会議で調整。

– サービス開始・継続
– 定期訪問の実施、月次等で主治医へ報告書を提出、必要に応じて計画の見直し。

主治医の訪問看護指示書の手続き(詳説)

– 誰が依頼するか
– 介護保険利用時はケアマネが中心になり、医療保険利用時は訪問看護ステーションが中心になることが多い。

急ぎの場合はご家族が主治医に「訪問看護をお願いしたい」と意思表示し、ステーション名を伝えるとスムーズです。

– 必要な準備・書類
– 主治医の診療情報(病名・病状・検査結果・治療方針・処方薬)。

– 退院時は看護サマリー、指導内容(例 PEG・気切・在宅酸素・CVポート・インスリンなど)。

– 個人情報同意書(情報連携のため)。

– 指示書の内容(典型例)
– 対象疾患・病状、訪問期間、訪問頻度(週○回など)、具体的な看護内容(清潔援助、創傷処置、褥瘡管理、呼吸管理、服薬管理、リハビリの要否、在宅医療機器の管理など)、緊急時の対応、連絡方法。

– 慢性期は「包括的指示」で日常的な観察や必要な処置が網羅され、特定の医療行為がある場合は個別に明記されます。

– 指示書の有効期間と更新
– 医療保険の訪問看護指示書は「原則3か月以内」を単位に作成・更新される運用が標準(特別訪問看護指示書は14日以内。

後述)。

– 介護保険では「主治医の指示に基づく」ことが要件で、有効期間の明確な月数規定は通知上の表現が中心。

実務上は状態変化や計画見直し時に主治医の指示内容を再確認・更新する運用が多く、月次報告等で連携します。

– 特別訪問看護指示書(急性増悪時)
– 病状が不安定、創傷の急性増悪、終末期など集中的支援が必要な場合、主治医は「特別訪問看護指示書」を発行できます。

– 有効期間は14日以内で、その間は訪問回数を増やす等の集中的介入が可能。

介護保険利用中でもこの期間は医療保険優先で算定されるのが一般的です。

– 手続きの所要期間
– 主治医が外来で迅速に作成できれば1~3営業日程度。

退院前調整を並行すれば、退院日に合わせた訪問開始が可能。

– 費用・負担割合の目安
– 介護保険・医療保険ともに自己負担は1~3割が基本(高齢者医療・高額療養費の適用は条件により)。

– 交通費や時間外加算、24時間連絡体制加算などは事業所規程・算定要件により異なります。

– 詰まりやすいポイントとコツ
– 主治医未確定または主治医が訪問看護に不慣れ→事業所が連携サポート可。

かかりつけ医の選定や在宅医との橋渡しを依頼。

– 情報不足→退院時サマリー、処方内容、最近の検査値、他職種情報(リハ・栄養・薬剤)の共有を早めに。

– 制度選択→ケアマネと事業所で介護・医療の適用を整理(特別指示期間は医療保険優先などのルールあり)。

初回アセスメント(初回訪問)の進み方

– 訪問前準備
– 受診歴・診断・処方・既往歴・アレルギー・感染症歴、退院サマリーの確認。

– 居住環境の把握(段差、トイレ・浴室の状況、寝具、福祉用具の有無)。

– 緊急連絡先、キーパーソン、意思決定支援の必要性。

– 初回訪問時の基本の流れ
– 同意・プライバシー説明、個人情報の取り扱い説明。

– バイタルサイン測定、疼痛・呼吸・循環・意識等の身体アセスメント。

– 服薬状況の確認(残薬・副作用・自己管理可否、ポリファーマシーの可能性)。

– ADL/IADLの評価(起居移動、食事、排泄、入浴、更衣、家事)。

– 栄養・嚥下・口腔の評価、褥瘡や創傷の有無とリスク評価。

– 認知機能・うつ・不安など精神心理面の評価。

– 生活環境・家族介護力・社会資源(デイ、ヘルパー、配食、往診体制)の把握。

– 医療機器(在宅酸素、NPPV/CPAP、気切、カテーテル、ポート、胃瘻、自己注射、自己導尿など)の安全管理と指導ニーズ。

– リスク評価(転倒、誤嚥、低栄養、脱水、感染、虐待・ヤングケアラー等の社会的リスク)。

– ご本人の意向・目標(疼痛緩和、再入院回避、最期の迎え方の希望等)とACP(アドバンス・ケア・プランニング)の導入。

– 代表的な評価ツール(事業所により選択)
– ADL(Barthel Index等)、認知機能(HDS-R、MMSE)、栄養(MNA-SF)、褥瘡(DESIGN-R)、疼痛スケール(NRS、VAS)、うつ(GDS)、嚥下(EAT-10)など。

– 訪問看護計画書の作成と同意
– アセスメント結果をもとに、訪問頻度・内容・目標・評価指標・緊急時対応・関係職種との役割分担を明記した訪問看護計画書を作成。

– ご本人・ご家族に説明し、同意署名を得て、主治医・ケアマネへ交付。

介護保険の場合はケアプラン(居宅サービス計画)と整合させます。

– 多職種連携
– 介護保険ではサービス担当者会議でケアマネ、訪問介護、通所、福祉用具、薬剤師、リハ職などと役割調整。

– 医療保険中心でも、往診医・薬剤師・歯科・栄養士等と必要に応じて連携。

– 緊急時対応の整備
– 24時間連絡体制の有無、夜間・休日の対応方法、救急受診の判断基準、主治医への連絡経路を説明。

– 家庭内での連絡先掲示、服薬カレンダー、緊急バッグの準備などの支援。

– 記録と報告
– 訪問看護記録書、報告書(毎月または必要時)を主治医・ケアマネへ提出。

状態変化に応じて計画を随時見直します。

時間軸の目安(新規開始)

– 退院調整あり 退院3~5日前にカンファレンス→指示書発行→退院当日または翌日から訪問開始。

– 在宅から 相談~指示書依頼1~3日、初回訪問まで2~7日程度が目安(緊急時は当日~翌日対応もあり)。

よくある質問

– 指示書がなくても始められる?
→いいえ。

訪問看護は主治医の指示に基づくことが法令・基準で定められています。

まずは主治医の確定と指示書依頼が必須です。

– 回数は誰が決める?
→主治医の医学的判断と、初回アセスメントに基づく看護計画、介護保険ではケアプランとの整合で決まります。

– 途中で状態が急に悪化したら?
→特別訪問看護指示書を主治医に依頼し、14日以内の集中的訪問へ切替が可能です(医療保険優先)。

根拠(制度・通知・ガイドラインの要点)

– 訪問看護は主治医の指示に基づくこと
– 介護保険法の下位規程である「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(厚生労働省令)において、指定訪問看護は主治医の指示に基づき提供する旨が定められています。

また、利用者への計画書の作成・説明・同意、主治医等への報告が義務づけられています。

– 医療保険における訪問看護指示書の取扱い
– 健康保険法に基づく「診療報酬点数表」および「訪問看護療養費に係る取扱い通知・疑義解釈」において、訪問看護指示書は原則3か月以内を単位とすること、特別訪問看護指示書は14日以内であること、介護保険利用中でも特別指示期間は医療保険が優先されること等が示されています。

– 介護保険での連携・計画・報告
– 介護保険制度では、居宅サービス計画(ケアプラン)に基づく提供、多職種のサービス担当者会議の開催、指定事業者の運営基準(計画書の作成・交付、モニタリング、主治医等への報告)等が省令・通知で定められています。

– 標準的実務ガイド
– 全国訪問看護事業協会の様式群(訪問看護計画書、報告書、連絡書、記録書)や、厚生労働省・各都道府県の在宅医療・訪問看護の手引きに、初回アセスメントの視点、計画・連携・緊急時対応の標準が整理されています。

– 2024年度同時改定後の枠組み
– 2024年度の診療報酬・介護報酬改定後も、上記の基本原則(主治医指示書に基づく提供、医療保険の特別指示14日、定期的な報告と計画見直し)は維持されています。

具体の点数要件や加算要件等は最新の告示・通知・疑義解釈を参照します。

補足の実務ポイント
– 指示書に「在宅で実施できる医療行為の範囲」を明記してもらうと、現場の判断が迅速になります(例 褥瘡ドレッシング材の種類変更の裁量、SpO2閾値に応じた酸素流量調整可否など)。

– 服薬情報は「おくすり手帳」の写真共有が有効。

残薬・市販薬・サプリも含めて確認。

– 住環境の微調整(手すり、段差解消、ポータブルトイレ、スライディングシート等)はリハ職・福祉用具専門相談員と連携し、早めに手配。

– 終末期や難病、人工呼吸器管理などは、24時間対応可の事業所か、在宅医との連携体制を前提に選定。

もし具体的な状況(年齢、疾患、現在の主治医、退院予定日、居住地域など)を教えていただければ、制度選択(介護・医療)、必要書類、指示書依頼文面、初回アセスメント時の着眼点リストを、より個別化してご提案します。

サービス開始までの期間はどれくらいで、初回訪問当日までに何を準備すればよいのか?

はじめての訪問看護のご利用について、申し込みからサービス開始(初回訪問)までの一般的な流れ、開始までにかかる期間の目安、初回訪問当日までの準備物・準備事項を、できるだけ実務に即して詳しくまとめました。

最後に、根拠となる制度や公的資料の出典も記します。

地域や事業所の体制、病状、保険種別(医療保険・介護保険)により所要日数や手順は変わる点はご承知ください。

全体の流れ(標準的なケース)

– 相談・問い合わせ
ご本人・ご家族、あるいは病院の医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター、ケアマネジャーから訪問看護ステーションへ連絡。

概要(氏名、住所、保険情報、主治医、病状・目的、希望開始時期)を共有。

– 初回ヒアリング・訪問可否の判断
ステーション側がサービス提供区域や対応可能なケア内容、人員の空き状況を確認。

必要に応じて事前のご自宅訪問やオンライン面談でアセスメントを実施。

– 主治医から「訪問看護指示書」を取得
訪問看護は医師の指示に基づく医療専門職のサービスです。

医療保険・介護保険のいずれでも指示書が必要。

主治医が病状・必要な看護内容を記載します。

– 保険制度の確認とプランづくり
介護保険を使う場合は、要介護認定がある方はケアマネが居宅サービス計画(ケアプラン)に位置づけ、担当者会議を行います。

認定が未取得の方は申請・暫定プランの検討。

医療保険の場合はケアマネは不要ですが、関係職種との連携調整を行います。

– 契約・重要事項説明
事業所からサービス内容、料金、加算、時間外対応、キャンセル規程、個人情報の取扱いなどの説明を受け、契約書へ署名捺印。

併せて訪問看護計画(初期版)の説明が行われます。

– スケジュール調整・初回訪問
開始日時・頻度・担当者を確定。

必要物品の手配(在宅酸素・吸引器・栄養ルートなど)や緊急連絡体制を整え、初回訪問を実施します。

サービス開始までの期間の目安(ケース別)

– 医療保険で利用(外来・在宅フォロー)
目安 最短当日〜3日、通常3〜7日程度
条件 主治医が指示書を即日発行でき、事業所に空きがある場合は早期導入が可能。

特に疼痛コントロール、在宅看取り、在宅酸素・創傷ケア・カテーテル管理などの必要性が高い場合は優先導入されやすいです。

– 介護保険で利用(要介護認定あり)
目安 3日〜2週間程度
流れ ケアマネによる担当者会議→主治医指示書→契約→開始。

すでにケアマネと関係がある方は早い傾向。

– 介護保険で利用(要介護認定未取得)
目安 暫定ケアプランで1〜2週間で開始できる場合もありますが、正式運用まで1か月程度が一般的
備考 要介護認定の標準処理期間は原則30日。

緊急性が高い場合、自治体・ケアマネの判断で暫定プランによる先行利用が検討されます。

– 退院前からの在宅移行(病院の退院調整)
目安 退院日当日〜数日以内
流れ 病院の地域連携室が在宅チーム(主治医/訪問診療、訪問看護、薬局、福祉用具)と退院前カンファレンスを行い、退院時共同訪問や当日導入を調整。

医療依存度が高いケースでも最短当日導入が可能です。

– 精神科訪問看護
目安 1〜2週間程度
備考 主治医との治療方針共有や支援計画のすり合わせに時間を要することがあります。

補足 いずれも「訪問看護指示書」の準備状況と、事業所の人員・エリア・専門性の適合が期間を大きく左右します。

繁忙期(連休前後など)は調整に日数を要する場合があります。

初回訪問当日までに準備しておくと良いもの・こと
A. 必要書類・証明書

– 健康保険証(医療保険利用時)、介護保険被保険者証(介護保険利用時)
– 医療受給者証(公費負担医療・高齢受給者証・限度額適用認定証・難病・自立支援医療等、該当者)
– 主治医情報(医療機関名、診療科、連絡先、次回受診日)
– お薬手帳、現在服用中の薬剤の一覧、残薬
– 退院サマリー・看護サマリー・検査結果(退院直後の方)
– ケアプラン(既に作成済みの場合)やサービス担当者の連絡先一覧
– 障害者手帳、介護保険の負担割合証(該当者)

B. 医療機器・ケア関連の情報と物品
– 在宅酸素、人工呼吸器、吸引器、胃ろう・腸ろう・CVポート、導尿カテーテル等の有無、メーカー名、機器設定値、保守業者の連絡先
– 消耗品の在庫と発注ルート(ガーゼ、テープ、手袋、アルコール綿、栄養剤、チューブ、ドレッシング材など)
– バイタル機器(自宅の血圧計・体温計・パルスオキシメータがあれば所在確認)
– 皮膚トラブルや褥瘡の状況写真(可能なら)、創部の過去の使用材料

C. 生活・介護の情報
– 日常生活動作(起き上がり、移乗、歩行、トイレ、入浴、食事)の自立度
– 生活リズム(起床・就寝・食事時間)、禁食・水分制限などの医師指示
– 介護者の体制(キーパーソン、在宅時間、緊急時の連絡先)
– これまでの病歴、手術歴、アレルギー、感染症歴
– 目標・希望(痛みの軽減、褥瘡治癒、入浴支援、看取りの意向、社会参加など)

D. 住環境の整備
– 訪問時の動線確保(ベッド周り・洗面所・トイレ・台所などのスペース)
– 清潔・処置スペースの確保、適切な照明、手洗い場
– コンセント位置と延長コード(医療機器使用時)
– 駐車スペースの案内、集合住宅のオートロック対応
– ペットがいる場合は接触・誤嚙防止のため別室待機を検討

E. 連絡・同意・運用面
– 緊急連絡先の確定(家族、主治医、訪問看護、訪問診療、薬局)
– 個人情報の取り扱い、写真撮影・情報共有の同意方針
– 鍵の受け渡し・留守時訪問の可否(必要な場合のみ)
– 費用の支払い方法(口座振替・振込・現金)、領収証の宛名
– キャンセル・時間変更の連絡ルール
– 事前指示(ACP 延命治療の希望、看取り場所の希望など)があれば共有

F. 当日の持ち物・手続き
– 認印(契約・各種同意書への押印が必要な事業所あり)
– メモ・質問リスト(不安点・優先して解決したいこと)
– 必要に応じ、担当ケアマネやご家族の同席

期間短縮のコツ

– 主治医受診のタイミングで訪問看護の必要性を伝え、指示書作成を依頼しておく
– 介護保険利用予定なら、早めにケアマネへ連絡し、暫定プランの可否を相談
– 病院入院中なら、退院調整部門に早期から在宅移行希望を伝える
– ステーションには病状・住所・希望開始日・必要ケアを簡潔に共有し、代替日程にも柔軟に対応
– 複数事業所に可否を問い合わせる(エリアや専門性適合の観点)

よくある質問と注意点

– 回数の上限
医療保険 原則週3日まで。

特別訪問看護指示書(急性増悪等)で14日間は毎日訪問が可能。

末期がんや在宅人工呼吸器管理などは回数制限なし(地域・要件により異なる)。

介護保険 上限は明確な回数規定ではなく、ケアプラン上の必要量と給付限度額の範囲で調整(医療系訪問看護は限度額外算定もあり)。

– 費用の目安
医療保険・介護保険とも自己負担は1〜3割が一般的。

時間外・緊急訪問・特別管理・24時間連絡体制などの加算、交通費実費、キャンセル料が発生する場合あり。

詳細は事業所の重要事項説明で確認。

– 感染症状があるとき
事前連絡を。

個人防護具の準備や訪問時間変更で対応することがあります。

– 自費の訪問看護
訪問看護は原則保険サービス。

自費対応は地域差が大きく、提供できない事業所も多い。

必要時は事前確認を。

根拠(制度・公的資料の要点)

– 訪問看護指示書の必要性
訪問看護は医師の指示に基づく看護職の業務として位置づけられ、医療保険・介護保険いずれでも主治医の「訪問看護指示書」が必要。

根拠は診療報酬点数表(在宅医療・訪問看護療養費の算定要件)および介護保険における指定訪問看護の運営基準・報酬算定要件。

– 医療保険での回数制限
診療報酬(在宅/訪問看護療養費)において「原則週3日」。

急性増悪等で医師が「特別訪問看護指示書」を交付した場合は14日間、回数制限の緩和(連日可)。

末期悪性腫瘍や在宅人工呼吸器管理など特定状態は回数制限なしとされる取り扱いがある(厚生労働省 告示・通知、点数表の解釈)。

– 介護保険での位置づけとケアプラン
訪問看護は介護保険の居宅サービス(医療系サービス)として提供され、ケアマネが居宅サービス計画を作成し、担当者会議で合意形成することが求められる(介護保険法、指定基準、介護報酬上の算定要件)。

– 要介護認定の期間
要介護認定の標準処理期間は原則30日以内とされる(介護保険法および関係通知)。

やむを得ない事情がある場合は延長の可能性。

緊急時は暫定ケアプランの活用が実務上行われている(厚生労働省通知、各自治体運用)。

– 退院支援・在宅移行
病院から在宅への円滑な移行のため、退院前カンファレンス、退院時共同指導などの仕組みが診療報酬・介護報酬に位置づけられており、在宅サービスの早期導入が制度的に後押しされている(地域連携・在宅移行に関する加算、厚生労働省の在宅医療・介護連携推進施策)。

– 24時間対応・特別管理
介護報酬・診療報酬には、24時間連絡体制加算、緊急時訪問看護加算、特別管理加算などが規定され、重症度や緊急性に応じた迅速導入・対応を可能にしている(令和6年度診療報酬・介護報酬改定の告示・通知、点数表の解釈)。

まとめ(期間と準備の要点)

– 期間の目安
医療保険 最短当日〜数日、通常3〜7日
介護保険(認定済) 3日〜2週間
介護保険(認定未取得) 暫定導入1〜2週間、正式運用まで約1か月
退院時導入 退院当日〜数日
– 当日までの準備
保険証類・受給者証、主治医情報、薬・退院サマリー、ケアプラン、医療機器情報、緊急連絡先、住環境整備、同意書の準備、支払い方法の確認、質問リスト
– 成功のポイント
主治医指示書の早期依頼、ケアマネ/退院調整との連携、ステーションとの情報共有、暫定プランの活用、柔軟な日程調整

ご不安やご事情は一人ひとり異なります。

具体的な病状や希望(例 創傷ケア、カテーテル管理、服薬支援、リハビリ、看取りなど)をお知らせいただければ、より適合する導入スケジュールと準備物の優先順位をご提案できます。

地域名(市区町村)や主治医の診療科目、希望開始時期がわかれば、さらに現実的な日数感と動き方のアドバイスが可能です。

【要約】
担当ケアマネは、ケアプラン作成や事業者選定・調整、費用・単位管理、緊急時連携を担う。まず担当に相談が最速・確実。訪問看護の選定や主治医への指示書依頼まで一括で進めてくれる。訪問看護の頻度・内容を全体と整合し介護保険枠内で最適化。他サービスとの調整も任せられる。